「情報処理」特集 あから2010勝利への道

情報処理 2011年02月号


発売前にお伝えしたとおり、「情報処理」最新号のVol.52 No.2 に、特集「あから2010勝利への道」が掲載されています。コンピュータ将棋がついに学会誌の39ページの筆頭特集になりました。情報処理学会創立50周年記念事業の最大の研究成果ですから、当然かもしれませんが。

内容については、前回当ブログにてお伝えしたとおりですが、当ブログの当初の予想以上に専門分野に特化した内容、つまり勝負の内容が詳しく解説されています。ゲームプログラミングや、あから2010のような大規模並列分散処理システム制御の専門的な研究が掲載されている一方、将棋ファンが読んでも楽しめる内容で、学会誌としては異例にエンタテインメント性の高い特集になっています。大胆な作戦と周到な準備、対局直前に判明した衝撃の事実、運命を分けた勝負の綾など、一人でも多くの方に読んでいただきたい内容です。対戦した清水市代女流六段日本将棋連盟理事の中川大輔八段のスピーチ(このときの模様です)、大盤解説を務めた佐藤康光九段の観戦記と、コンピュータを抜きにしても豪華な顔ぶれです。

前回お伝えしたとおり、「情報処理」amazon.co.jpをはじめ複数の一般書籍販売サイトで容易に購入できます。購入先の情報については、情報処理学会プレスリリースをご覧ください。

…と、これだけでは前回の記事とかわりばえしませんので、最後に資料提供をさせていただきます。下の図は、あから2010を構成している激指GPS将棋BonanzaYSSそれぞれの読み筋をひとつの棋譜にまとめたものです。読み筋は、こちらで公開されている思考ログから解読しています(一部のデータは採用していません)。ログは特集記事中でも紹介されていますが、そのままではあまりにも読みづらいので、当ブログの棋譜をご活用ください。各局面のコメントにその局面時点の読み筋が書かれ、また棋譜の枝分かれでも読み筋を表現していますので、分岐点の局面でそれぞれの手順を並べることもできます。下の図はJavaを有効にしてご覧ください(Flash版はこちら)。なお、Webアプリケーションの制約によって初手から中盤途中までの指し手に読みの枝分かれが現れないようになっていますので、すべての枝分かれデータを入手されたい方は、「棋譜保存」ボタンを押してkifファイルをダウンロードしてください。kifファイルは、柿木将棋のサイトにてフリーで公開されているKifu for WindowsなどのPC用ソフトで再現できます。すべての枝分かれを表示するには、PCソフトの「棋譜最大」の設定を6000手以上に設定してください。それでは、解説記事を片手に世紀の一戦をご堪能ください。

清水女流王将 vs あから2010




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