電王戦は今春が最後、名人とコンピュータ将棋の頂上決戦

第2期電王戦

佐藤天彦叡王と電王Ponanzaとの間で戦われる第2期電王戦二番勝負の日程が、2月22日(水)に発表されました第1局は4月1日(土)に栃木県日光市の日光東照宮第2局は5月20日(土)に兵庫県姫路市の姫路城にて行われます。佐藤叡王は名人として今春に名人戦七番勝負を控えていますが、第1局の4月1日はまだ七番勝負が始まる前であり、したがって電王戦で初めてタイトルホルダーとコンピュータ将棋の対戦が少なくとも1局実現することが確定しました。タイトルホルダーとコンピュータ将棋の公式戦は、渡辺明竜王Bonanzaの対戦以来実に10年ぶりです。

そして、現行の電王戦が今回の第2期をもって終了となることも併せて発表されました。2年前にも電王戦FINALと銘打って開催されましたが、これは5対5の団体戦形式の最後という解釈であったのに対し、今回は主催社ドワンゴの川上量生会長の「役割を終えた」との発言もあり、プロ棋士とコンピュータ将棋の真剣勝負がこの舞台で見られるのは今春が最後となる見込みのようです。

電王戦のページで閲覧できるPV(プロモーションビデオ)では、名人とコンピュータの頂上決戦、という点が繰り返し強調されており、今回を記念碑的にも最後の対戦とする意図が感じられます。叡王戦はタイトルホルダーでも段位を肩書とする決まりだったため佐藤名人は九段として叡王戦に優勝しましたが、これを見る限り佐藤名人と電王Ponanzaとの対決、と表現して差し支えなさそうです。振り駒は昨年3月にコンピュータ囲碁のAlphaGoと対戦した韓国の囲碁棋士イ・セドル九段によって行われ、第1局の先番はPonanza第2局の先番は佐藤名人に決まりました。

第2期電王戦に先立って、賞金300万円企画などの関連イベントも開催されますので、関心のある方はリンク先をご覧ください。

なお、叡王戦は今後も継続、そして将棋電王トーナメントについても何らかの形で続く見込みとのことです。史上最高の高額賞金コンピュータ将棋大会の継続が期待されます。

最後の電王戦、ということで、ついにこの時が来てしまった、という残念さはありますが、いかにコンピュータ将棋の進歩が速く力強いものであったかが示された、ともいえます。名人との対局が、歴史的な名勝負となることを期待しましょう。

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