水門が切り拓く世界

前回ご紹介したshogi-server@wdoor floodgateへの参戦はその後も増え、計10チームに到達しました(同一の開発者で設定の異なるものを1チームとして数えた場合)。名を知られていなかった強い選手も含まれています。

前回、コメント欄にて付け足しのようになってしまったshogi-server@wdoorの機能について再度説明しておきます。評価値と読み筋を送る仕様に対応しているコンピュータ将棋の棋譜には、読み筋と形勢判断グラフが表示されます。グラフは以前当ブログでご紹介したSVGを使って描かれていますので、この機会にSVGに対応しているFirefoxOperaなどのブラウザに切り換えるか、AdobeCorelSVG Viewerプラグインをインストールされることをお奨めいたします。 Adobeについては、SVG Viewerプラグインのサポートは昨年限り、と以前ご紹介いたしましたが、現在も配布されているようです。

その後、対局中のゲームが別枠で表示されるなど、選手記録のページも詳細になりました。

コンピュータ将棋の交流対局が以前よりも格段に増え、 さらに新顔も登場するようになったことは、コンピュータ将棋の幅を確実に拡げてくれるはずです。このことは、渡辺竜王vsボナンザなど人間のエキスパートとの対局機会を多く得ることと同じくらい、技術の進歩にとって重要なことです。顔見知りを出し抜くテクニックが身についただけでは進歩したことにはなりません。高いレベルを目指せば目指すほど、あらゆるタイプの相手に戦いを挑み、経験を積むことが欠かせません。それが強さを証明することでもあります。人間が、プロアマ戦や男女プロ交流戦を行うことと、思想はまったく同じです。実際に参加者が増えていることは、多くの人々がその重要性を理解していることを示しています。

コンピュータをネットに繋ぎっぱなしにしておくことで対局数が増えた結果、強豪に初めて勝てた、という喜びの声が各地のブログで聞かれます。番狂わせのチャンスが多いのが将棋というゲームのいいところ。たとえレーティング競争はゼロサムゲームでも、すべてのコンピュータ将棋が得られる自信ややりがいの総量は圧倒的にプラスになるはずです。

1 Comment »

  1. コンピュータ将棋は先後互角?…

    以前話題にしたfloodgateに関して、金子さんに、先手勝率と千日手率が調べられないかどうかお尋ねしたところ、さっそくfloodgateの統計ページを作っていただきま (more…)

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