floodgateで長時間対局

コンピュータ将棋対局場floodgateにて、先月から持時間3時間、それを使い切ると1手1分以内の秒読み、という長時間の「コンピュータ将棋順位戦(仮)」が行われるようになっています。すでに多くのコンピュータ将棋がフリーエントリーして賑わっている15分切れ負け部門と異なり、実力上位のソフトが高性能のコンピュータで動作する少数精鋭部門。現在の参加者は皆、指し手にコメントをつける形で読み筋をリアルタイムで公開しながら指しており、コンピュータたちが何を考えているかよくわかるようになっています。

持時間が通常のfloodgateの12倍以上、世界コンピュータ将棋選手権と比較しても7倍以上になっているだけあって、ほとんどの対局はよりハイレベルな内容になっています。強くなったコンピュータ将棋も、その読み筋を見ると意外な手を読んでいることも多く、世界コンピュータ将棋選手権では期待通りに読んでくれないコンピュータに対する開発者のぼやきがよく聞かれるのですが、持時間3時間では読みも実際の指し手もことごとく急所をとらえているように見受けられます。ただし、ごくまれに、ますます訳のわからない指し手や読み筋になっているものもあるようです。そのような側面からも、観戦して楽しめる内容になっていると思います。特に腕に覚えのある方は、コンピュータ将棋の読み筋と指し手をご自分の読み筋と比較したり、コンピュータ将棋の傾向・強み・弱点などに思いをめぐらせたりしてみてはいかがでしょう。

現在は1日3回、5時・13時・21時の3回のタイミングで対局が開始されるスケジュールが常時稼動しており、都度2局が行われています。もちろん通常のfloodgateと同様、過去の対局もすべてWebで見ることができます。

ちなみにこの持時間設定、秋に控えている大勝負を意識しているように見えますが、私たちはfloodgateで公開実験の現場を見ているのかもしれません。

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