Archive for 11月, 2009

GPW杯コンピュータ将棋はBonanza楽観合議が制す

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ご報告がかなり遅れてしまいましたが、11月13日(金)~15(日)にゲームプログラミングワークショップ(GPW)2009が開催されました。今年のGPW杯のコンピュータ将棋部門は、リーグ表のとおりBonanza楽観(的)合議が9戦全勝で優勝しました。おめでとうございます。その他、GPW杯5五将棋部門の結果も発表されています。

Bonanza楽観(的)合議のリンクは便宜上、文殊と同じになっていますが、楽観的合議については新着情報としてこちらのPDFファイルで技術的な内容を見ることができます。前回の記事では触れませんでしたが、エキシビション対局に登場した文殊も実は楽観的アルゴリズムを搭載した同じものでした。単純に評価値の良いものを信じるなんて単なる勝手読みでは…と思ってしまいますが、これによって6割勝てるようになった、という実力を対コンピュータでも、そして2チームの参加があった人間相手でも証明しました。

7勝2敗の2位グループには、GPS将棋大槻将棋に加え、篠田正人さんが入り、「コンピュータに将棋の厳しさを示した」として表彰されました。篠田さんは奈良女子大理学部准教授にしてアマチュア将棋の全国大会で複数回の優勝をおさめているアマ強豪ですが、25分切れ負けという人間にとって過酷な条件、しかもかなりの夜更かし状態(これは運営の不手際が主な原因です。申し訳ありません)でこの成績は驚異的。特に、エキシビション対局にて稲葉聡さんに勝利したGPS将棋に勝った将棋は圧巻で、近日中に公開予定の棋譜を是非ご覧ください。

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人間vsコンピュータ将棋、今年のエキシビションは1勝1敗

前回の記事にてうっかりお知らせし忘れてしまいましたが、エンターテイメントと認知科学研究ステーション特別企画「将棋研究の最前線」にて行われた2局のエキシビション対局がネット中継されていました。結果はリンクで示されているように、昨年のエキシビションと同じく1勝1敗でした。

第1局、一手損角換わりとなった谷崎生磨さんvs文殊は、文殊が難解な終盤戦をきわどく制した…と思われたところでトラブルに見舞われて敗れました。第2局、稲葉聡さんvsGPS将棋は、四間飛車に振ったGPS将棋がうまく捌いて優位に立った後、一気に稲葉さんの居飛車穴熊を攻略してみごと勝利。2局とも、解説の勝又清和六段からもほとんど非の打ちどころのないハイレベルな内容で、コンピュータ将棋の実力はますますエキサイティングなものになっているようです。

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