Archive for 12月, 2008

第19回世界コンピュータ将棋選手権 参加者募集のお知らせ

当協会にて、4日前に第19回世界コンピュータ将棋選手権の参加者募集を開始いたしました。

当ブログでも、情報発信やご質問の受付を行います。コメント欄を通じてお気軽にお問い合わせください。

今回より、会場が早稲田大学 国際会議場に変わりますのでご注意ください。以前、当ブログにて、早稲田大学理工学部の予定、と書いたことがありましたが、諸事情により会場が変更されました。ともあれ、会場は千葉県から東京都心に変更され、多くの方にとっては交通の便が良くなったと思います。

多数のご参加をお待ちいたしております。
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WordPressを2.7にアップデートしました

当ブログがブログシステムとして利用しているWordPressのバージョンを、2.6.1から最新版の2.7にアップデートしました。外観はこれまでと変わらないはずです。にもかかわらず何か以前と異なる箇所がありましたら、お知らせいただけますと幸いです。

前回と同じく16週間ぶりのアップデートで、この機会にWP Super Cacheも0.8.6にアップデート。WP Super Cacheはやや重い感じの当ブログを少しでも高速化するために導入しているのですが、これまではキャッシュ関連を更新した直後には新しい記事が出せない不具合を出してしまっていたので、今回の記事はそのテストを兼ねています。今回はWP Super Cacheの設定時にこちらのサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございます。

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歴史的名勝負をコンピュータ将棋で検討してみる – advanced将棋の記録

羽生名人の3連勝で開幕し、双方が永世称号を争う空前の大勝負は意外な凡戦で終わるのか、と思われたそのとき、第四局で波乱の終盤戦をきわどく制した渡辺竜王が俄然巻き返し、という展開をみせた第21期竜王戦最終第七局の終盤は第四局に劣らぬ波乱の終盤戦を迎え、再度これを制した渡辺竜王が、プロ将棋の番勝負では史上初めての3連敗からの4連勝で防衛、初代永世竜王の資格を得ました。挙げた2局は、後世の語り草になること間違いなし、逆転また逆転の、誰もが認める名局でした。夢ではないか、現実であって欲しい、という竜王ご自身のコメントもうなずけます。

しかし、何度も逆転しているということを論理的に冷徹に表現すると、それはすなわち双方悪手の応酬があった、となります。論理的といえば、コンピュータ将棋の出番です。指し手のヒント機能と評価関数表示機能を有する某ソフトを使って、第七局の終盤戦でどのように形勢が入れ替わっていたのかを当ブログで調べてみました。興味の中心は、敗着はなんだったのかということ。終局直後の検討では107手目▲2四飛が敗着とされていましたが、ライブ中継のページにて108手目の指し手コメント欄に「(109手目▲7五玉とすれば)どうも詰まない」との渡辺竜王の感想が日付が変わってから追加されており、これを検証しなければなりません。

結論: 109手目▲7五玉なら先手勝ちでした。ただし、現在のコンピュータ将棋の棋力ではこの局面の勝敗を独力で正しく判定するのは不可能です。以下の検討結果は、アマチュア四段の人間1人がコンピュータと協力したadvanced将棋の結果と考えてください。advanced chessはずいぶん前から多くのチェスプレーヤーが研究に導入していますし、将棋でも数年前からプロやアマチュアの間ではコンピュータを活用することは広く行われていますので、当ブログは目新しいことをしているわけではありませんが、一種の実験記録として残す意味はあるでしょう。以下、あまりに複雑なため盤に並べないと読解不可能ですので、あえてブログへの局面の貼り付けは行わず、局面表記は中継ページに譲ります。ひたすら指し手を書いていきますのでご了承を。

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第2回UEC杯5五将棋大会COM部門はK55が優勝

前々回にお知らせした第2回UEC杯5五将棋大会が12月7日に行われ、COM部門は柿木将棋の開発者、柿木義一さん開発のK55が全勝優勝しました。詳しい内容はこちらのリンクをご覧ください。COM部門の直前に行われたKIDS部門の結果はこちらに。このうち上位がCOM部門に出場しています。レポートがすっかり遅れてしまい、55misakiの小宮日記さんに先を越されてしまいました(コメントもいっぱい)。

(追記)KIDS井原健夫のIHARA Noteさんにも先を越されていました。COM部門には来られなかったとのことで残念。KIDSで探索ソフトに3勝4敗とは強い。

K55は昨年の第1回大会で、優勝目前でバグが現れて涙をのみましたが、バグさえなければ無敵に近い強さであることを改めて示しました。

また、この大会の特徴として、プレゼンテーション部門というものがあります。これは、5五将棋の局面やコンピュータの思考の内容をいかに目に見える形で表現するか、を競うものです。これは、3チームの出品作品の中から各部門の参加者による投票が行われた結果、Tohskeの草野一彦さんが受賞しました。結果のページにて画面写真が見られますが、これだけだとどのような画面表示だったかがほとんどわからないのが残念。内容は、コンピュータの探索中の木構造が次々に現れ、常時最善手が上段に現れるようになめらかな枝の並べ替えが絶えず行われる、というもの。木のノードに局面が表示されるところは、5五将棋の盤の小ささをうまく利用しているといえるでしょう。

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将棋世界に「羽生善治が敗れる日」


将棋世界2009年1月号に、「コンピュータ将棋特別対談 – 羽生善治が敗れる日」と題して、YSS開発者の山下さんと棚瀬将棋開発者の棚瀬さんによる聞き手を交えての対談記事が掲載されています。

前々回ご紹介した週刊将棋と違って意外にもゲーム・プログラミング・ワークショップ2008(GPW-08)での清水上さん・加藤さんとコンピュータ将棋のリベンジマッチは報じないのか? と思いきや、対談記事のさなかに勝又六段の解説つきで全棋譜が紹介されています。とはいえ対談記事があることは1月号の表紙には書かれておらず、目次にもあまり目立たない感じで書かれていて、ましてリベンジマッチのことは目次にも書かれていませんので、将棋世界を毎月読んでいる人でも見落としてしまうかも、という微妙な感じ。このあたり、読売新聞社を優先掲載紙とみなしての配慮なのかもしれません。

対談はGPW-08の直後に行われたもののようです。 Read the rest of this entry »

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