Archive for 3月, 2013

第19回コンピュータ将棋オープン戦 参加者募集のお知らせ

来る4月7日(日)に、第19回コンピュータ将棋オープン戦を開催いたします。参加希望の方は電子メールでwcsc_apply@computer-shogi.org (担当:香山 健太郎)まで参加希望の旨お送りください。

今年の世界コンピュータ将棋選手権に申し込まれている方は、対戦機能のチェックの場としてご活用ください。なお、CSAプロトコルでのネットワーク対戦をされたことがない方は、選手権当日の混乱を避けるためにも、事前にCSAサーバにてテスト対局を行ってください。プロトコルや実装の詳細については、こちらをごらんください(floodgateCSAプロトコルに準じていますが、細かい部分が異なっています)。

これまでのオープン戦と同様、腕試し、プロトコル実装の確認、飛び入り参加を歓迎いたします。参加資格はCSA サーバプロトコルに対応していることで、人間が手動操作で参加することもできます。その場合、高田淳一さんが公開しているJava Appletや、将棋GUIソフト「将棋所」プチ将棋が利用できます。これらのソフトはfloodgateにも対応していますので、人間として参加されたい方は、この機会に練習を兼ねてfloodgateにもチャレンジされてはいかがでしょうか(人間参加には、ログイン名のガイドラインが示されています)。
ネットワークの状態によっては、時間切れ負けが不可避な場合も生じえますが、ご了承ください。

その他、スケジュールなど正式な開催要項については、参加者募集のお知らせをごらんください。

多数のご参加をお待ち申し上げております。第23回コンピュータ将棋選手権より前に行われるオープン戦は今回のものが最後になります。

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コンピュータ将棋が対現役プロ公式戦初勝利、電王戦は1-1に

第2回電王戦第2局が本日行われ、141手で先手番のponanza佐藤慎一四段を降し、コンピュータ将棋による現役プロ棋士に対する初めての公式戦勝利を記録しました。プロ棋士チームとコンピュータ将棋チームの対抗戦としては1勝1敗の五分となっています。

ponanzaが序盤からやや指しにくい状態と互角との間を2〜3往復する、という展開で、どちらかといえばプロ棋士ペースで推移する内容でした。終盤に苦戦がはっきりしそうになった局面もありましたが、急所に馬を作って自陣を再整備して持ち直し、最後は佐藤四段の守りを崩しました。終局直前には差がついて見える局面になりましたが、コンピュータ将棋の苦手な入玉模様に突入する可能性もあったことを考えると、ほとんどの局面が互角に近い接戦だったといえます。

今回は第1局以上にマスメディアで広く報じられているようです(NHK朝日新聞など)。勝ったponanzaもさることながら、佐藤四段も中央の攻防などでたびたび見せ場をつくり、文句なしの名勝負であったといえるでしょう。昨年の第1回電王戦や先週の第1局はやや差のついた終盤戦となりましたが、最後まで激闘だった本局は、コンピュータ将棋と人間、どちらも強い、としかいいようのないレベルの高い内容でした。とはいえニコニコ生放送の最後には、ついにプロが敗れるのか/敗れてしまった、という衝撃の動画コメントがあふれ、さまざまな意味で歴史的な対局となったことを示していました。

第2回電王戦は2局を終え残り3局。次回第3局は来週、船江恒平五段ツツカナが対戦します。すでに第3局の予告動画も作られています。人智と計算機の競った戦いはますます予断を許しません。上記リンクのうち動画へのリンクはniconicoへのログインが必要ですので、会員でない方はこの機会に登録されてはいかがでしょう。第3局もこれまで通りニコファーレで大盤解説会が行われますが、第2局と同様にプレミアム会員は大盤解説会に無料入場できるようです。

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第2回電王戦開幕、対現役プロ初勝利はお預け

第2回電王戦第1局が本日行われ、113手で先手番の阿部光瑠(こうる)四段習甦を降しました。プロ棋士チームとコンピュータ将棋チームの対抗戦としてはプロ棋士チームの1勝0敗となっています。

阿部四段の完勝といえる内容でした。後手番の習甦は先に攻撃を仕掛けたものの、51手目▲9八玉と「米長玉」と呼ばれる形にかわされた形を攻略しきれず、69手目▲7八歩と受けられて攻めが続かなくなってしまいました。以下は習甦も粘ったものの阿部四段の手堅い攻めに屈しました。

習甦の仕掛けは、人間の目から見ると「やや無理」と思われる指し方でした。局後の記者会見で阿部四段は、習甦が仕掛けたのとほぼ同じ局面が事前の練習で現れていたことを認めました。その攻めに備えて早めに▲9五歩と突いて将来の自玉の逃げ道を作っておき、その手を活かす形にして習甦の攻めをうまくかわすなど、人間の大局観と巧妙な作戦、周到さが光りました。

2007年の渡辺明竜王vsボナンザ以来6年ぶりの現役正棋士との公式戦はまたしても棋士の勝利となり、コンピュータ将棋の対現役プロ初勝利はなりませんでした。第2局以降に期待がかかります。習甦には残念な完敗でしたが、現在のコンピュータ将棋の課題が浮き彫りになった点は成果だったといえるでしょう。本局の習甦の攻めを無理とみて避けられるように、コンピュータ将棋の進歩が求められている、といえそうです。もちろん、その技術は容易なことでは実現しないでしょう。

今回の結果は、マスメディアでも広く報じられています(NHK朝日新聞など)。1人目のプロ棋士がお手本のような勝ち方を披露したことで、明らかな進歩を遂げているコンピュータ将棋をも退けるほどプロは強い、という認識を広めたことが盛り上がりに繋がっているようです。ニコニコ生放送中に流れた視聴者のコメントもプロ棋士への声援が目立ちました。コンピュータ将棋にとっては試練の立ち上がりとなったものの、第2局以降がますます楽しみです。

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第2回電王戦、まもなく開幕

プロ棋士とコンピュータ将棋の団体戦、第2回電王戦が、いよいよ今週末、開幕します。

ここまで数々の関連イベントも行われ、注目は高まっています。先日お伝えした勝てたら100万円!ニコニコ本社で誰でもトライアルマッチ」が前哨戦として行われたほか、こちらで紹介されている特別番組もniconicoで放送されました。本日も、人気将棋マンガの3月のライオン
とのコラボ番組が放送予定です。このほか、人類vsコンピュータ映画特集も電王戦特集として多数の番組がラインナップされ、これからも放送が予定されています。日本を代表する動画配信サイトであるniconicoにとっても史上空前のイベントといって差し支えないでしょう。

コンピュータ将棋から見ると、プロ棋士との公式対戦は第1回電王戦以来1年2ヶ月ぶりですが、現役正棋士との公式戦は2007年の渡辺明竜王vsボナンザ以来6年ぶりです。この対局は戦前の期待以上の熱戦が繰り広げられた末にボナンザの惜敗、という結果でした。今回、6年の月日を経て当時とは比べ物にならないほど強くなっているコンピュータ将棋が今回は有利ではないか、という下馬評が優勢のようです。しかし、トライアルマッチでは100万円を獲得した挑戦者が3人誕生したほか、アンチコンピュータ戦略を実行して100万円にあと一歩まで近づいた挑戦者が多数現れており、これを見ると、周到な対策があればプロ棋士も充分戦えるのでは、と好勝負を予感させます。トライアルマッチは持時間が15分しかない中での対局(切れたら秒読み)でしたが、第2回電王戦では4時間の持時間(分単位未満切り捨て)があり、トライアルマッチで挑戦者がチャンスを逃したような局面でもじっくり考えられる分、人間側の勝機が高まるものと思われます。

注目のマッチアップを以下に再掲します。第1局は明後日、3月23日(土)です。ニコファーレにて豪華解説陣による大盤解説会も行われます。第1回電王戦のときよりはるかに広い会場での解説ですので、お誘い合わせの上出かけてみられてはいかがでしょうか。

第一局2013年3月23日): ▲阿部光瑠四段 – △習甦

第二局同3月30日): ▲ponanza – △佐藤慎一四段

第三局同4月6日): ▲船江恒平五段 – △ツツカナ

第四局同4月13日): ▲Puella α – △塚田泰明九段

第五局同4月20日): ▲三浦弘行八段 – △GPS将棋

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特別企画「アドバンスド将棋は最強コンピュータ将棋に勝てるか?」

直前のお知らせになってしまい申し訳ありませんが、本日3月18日午後より、電気通信大学エンターテイメントと認知科学研究ステーションの特別企画「アドバンスド将棋は最強コンピュータ将棋に勝てるか?」と題して、コンピュータ将棋の対局が2局行われます。

電王戦も今週末には第2回が始まり、人間のエキスパートプレーヤーとコンピュータ将棋の対局もすっかりおなじみになりましたが、今回の企画では人間側もコンピュータ将棋を使用することができます。詳しくはサイトの情報をご覧ください。対局者のお二人は一昨年にも同団体の企画でコンピュータ将棋と対決しているアマチュア強豪ですが、コンピュータ将棋の特徴に精通しているお二人がどのような形でコンピュータ将棋の助けを借りるか、何をコンピュータ将棋の強みと考え、どんな役割を与えるか、が注目点といえるでしょう。

平日のイベントではありますが、動画中継が行われる予定とのことですので、お仕事や学業がある方もアクセスできればぜひご覧ください。

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