第2回電王戦の第2局が本日行われ、141手で先手番のponanzaが佐藤慎一四段を降し、コンピュータ将棋による現役プロ棋士に対する初めての公式戦勝利を記録しました。プロ棋士チームとコンピュータ将棋チームの対抗戦としては1勝1敗の五分となっています。
ponanzaが序盤からやや指しにくい状態と互角との間を2〜3往復する、という展開で、どちらかといえばプロ棋士ペースで推移する内容でした。終盤に苦戦がはっきりしそうになった局面もありましたが、急所に馬を作って自陣を再整備して持ち直し、最後は佐藤四段の守りを崩しました。終局直前には差がついて見える局面になりましたが、コンピュータ将棋の苦手な入玉模様に突入する可能性もあったことを考えると、ほとんどの局面が互角に近い接戦だったといえます。
今回は第1局以上にマスメディアで広く報じられているようです(NHK、朝日新聞など)。勝ったponanzaもさることながら、佐藤四段も中央の攻防などでたびたび見せ場をつくり、文句なしの名勝負であったといえるでしょう。昨年の第1回電王戦や先週の第1局はやや差のついた終盤戦となりましたが、最後まで激闘だった本局は、コンピュータ将棋と人間、どちらも強い、としかいいようのないレベルの高い内容でした。とはいえニコニコ生放送の最後には、ついにプロが敗れるのか/敗れてしまった、という衝撃の動画コメントがあふれ、さまざまな意味で歴史的な対局となったことを示していました。
第2回電王戦は2局を終え残り3局。次回第3局は来週、船江恒平五段とツツカナが対戦します。すでに第3局の予告動画も作られています。人智と計算機の競った戦いはますます予断を許しません。上記リンクのうち動画へのリンクはniconicoへのログインが必要ですので、会員でない方はこの機会に登録されてはいかがでしょう。第3局もこれまで通りニコファーレで大盤解説会が行われますが、第2局と同様にプレミアム会員は大盤解説会に無料入場できるようです。