本日6月3日(水)、将棋電王戦に関する記者発表会が開催され、2016年春に、今年の電王戦FINALに続いてプロ棋士とコンピュータ将棋が対戦する第1期 電王戦が開催されることが発表されました。発表によれば、コンピュータ将棋代表が電王戦FINALと同じく将棋電王トーナメントで決定されますが、プロ棋士代表はこれまでと異なり(株)ドワンゴが主催する新たなプロ公式戦(新棋戦)で決定されます。そして次の電王戦は、持ち時間8時間の2日制で先手/後手を交互に持つ二番勝負が行われます。
過去3回の電王戦は5対5の団体戦でしたが、次は第1回電王戦以来の棋士ひとり対コンピュータ将棋1チームの対戦となります。その代わりに1局2日の対局を二局という大勝負になりました。日程は2016年の3月から5月の間に二局、とのみ発表されています。
6月20日(土)に早くも開幕する新棋戦は、全正棋士にエントリー資格が与えられるプロ公式戦。糸谷哲郎竜王、森内俊之九段、佐藤康光九段、谷川浩司九段(日本将棋連盟会長)らビッグネームの出場がすでに決まっており、「タイトルホルダーとコンピュータ将棋の対戦は避けられなければならない」という前提はなくなっています。ただし、糸谷竜王以外のタイトルホルダーの出場は未定のようです。棋戦の形式は、段位別に行われる予選を勝ち抜いた棋士16人によるトーナメントです。詳しい情報はこちらをご覧ください。
プロ棋士とコンピュータ将棋がともに出場権を争う「頂上決戦」方式になった電王戦。ある意味で対等な形式になり、そうなると尚更気になるのがレギュレーションですが、本日の発表会では明かされませんでした。前回も物議をかもした部分であり、片方のみが有利な環境で研究を行える、といった非対称性を含まないものが期待されます。
コンピュータ将棋側の予選を兼ねた第3回将棋電王トーナメントは、2015年11月21日(土)~23日(月・祝)に行われます。前回より3週間程度後の時期となっているほかは詳しい情報がまだなく、出場者募集もまだ始まっていないようですが、開発者の皆さんは準備しましょう。電王戦への出場枠はたったひとつとなり、さらに熾烈な争いが見られそうです。
本日発表された形式はひとまず3年継続される予定とのことです。なお、新棋戦は名称募集中。今日から1週間、名称を募集し、その中から投票で棋戦名が選ばれ、開幕直前に名づけられる予定となっております。これぞと思われる名称案がおありの方はご応募を。