月刊将棋世界10月号の「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第9回は、前回の並列処理と同様、複数のコンピュータ(CPU)を活用するもうひとつの方法、合議アルゴリズムを採り上げています。
コンピュータ将棋において、合議アルゴリズムは最近2年間くらいの新しいテーマですが、はっきりいって仕組みは非常に簡単。しかし何故それで成果が出るのかは、まだよくわかっていません。特に「楽観的合議」については、近年中には恐らく謎が解けないであろうと思われます。その不思議について、記事ではいつものように具体的な局面と、コンピュータ将棋が選んだ指し手から、仮説としての考察を行っています。今回の記事でもっとも大きく取り上げられている、谷崎アマvs「文殊」の対局はなかなか見ごたえがありますので、この機会にごらんください。
来月、清水女流王将と対局する「あから2010」も合議アルゴリズムを使います。「あから2010」は大規模なクラスタコンピュータで実現されますので、激指、GPS将棋、Bonanza、YSSの4つのソフトが合議する一方、各ソフトは並列処理によって動作する、という多階層のシステムになります。並列処理と合議をいかに組み合わせて効果を上げるか、という問題について考察するためにも、記事を一読されてはいかがでしょう。
※9月例会の会場が発表されました。詳しくは当ブログの前回記事をごらんください。
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