ネット界最大手の将棋対局サイト、将棋倶楽部24に5月10日、ponanzaが登場しました。人間の会員と次々に対局したponanzaは圧倒的な強さを見せ、一時はレーティング3211点に到達し、将棋倶楽部24東京道場の従来のレーティング最高点を塗り替えました。
この出来事はすでに毎日新聞の記事になり、検索エンジンの検索結果からも多数の反響が確認できます。Twitterでは#ponanzaというハッシュタグが生まれました。将棋倶楽部24でのリアルタイムの観戦者数は上限の1000人を軒並み突破、そんなさなかを、ponanzaは勝ち続けました。
念のため説明しておくと、レーティングとは対戦結果の積み重ねに基づいて実力を数値化した点数です。将棋倶楽部24の会員であれば、東京道場の棋譜検索画面にてログインし、棋譜と点数の推移をすべて見ることができます(「対局者」の片方にのみ ‘ponanza’ と入力して検索ボタンを押す。要Java)。
5月10日から16日にかけて100戦し、92勝8敗という圧倒的な成績を残した後、謎の棋士と特別に2局戦い1勝1敗となり、開発者の山本一成さんによる終結宣言が出されました。最高レーティング点をマークした後は、人間側の対コンピュータ対策が進んだことと、自己の点数がすでに高いために勝ってもわずかな上昇、負ければ大きく下落する状態となったことで、最終的にレーティングは3110点となっています。しかしながら、トップレベルのコンピュータ将棋の強さは対人でも充分すぎるほどに証明されました。
ただし、コンピュータ将棋の開発者の皆さんの中には、コンピュータ将棋の実力はまだまだこんなものではない、とおっしゃる方もおられるかもしれません。そのような方のために情報を補足しておきます。将棋倶楽部24の本来のルールではいわゆるソフト指し、すなわち、参加者がコンピュータ将棋を使用した対局を行うことが禁止されています(トップページにてponanzaのレーティング3211点が参考記録とされているのもそのためです)。したがいまして、開発者がコンピュータ将棋で参戦する場合は、自己紹介欄にてコンピュータ将棋であることを明記し、地域名を ‘Computer’ と設定してください。また、将棋倶楽部24は世界コンピュータ将棋選手権やfloodgateで用いられている将棋対局プロトコルを使用していないため、原則としてコンピュータの指し手をブラウザにて手入力する必要があるでしょう。ponanzaの入力作業は相当大変だったようです。また、自ら開発したコンピュータ将棋以外での参戦は避けてください。
当ブログ主としては、ponanza戦で人間の強豪が見せたコンピュータ対策をさらに上回るコンピュータの指し回しを見てみたいと思います。コンピュータ将棋の進化には人間との交流戦も欠かせません。特にponanzaの記録を塗り替える自信がおありの方はぜひ挑戦を。
かず@なのは said
Computerは東京で参加なんですか?
issei@ponanza said
コンピュータを用いた、将棋倶楽部24でのガイドラインはこちらを。
>24では開発者あるいはその関係者以外のソフト指しは禁止しています。
http://www.shogidojo.com/etc/softorii/index.htm
山田 剛 said
>かず@なのはさん
将棋倶楽部24には東京道場と大阪道場が用意されていますが、これは実際の地域を表したものではなく、独立した2つのサーバを単純に表しています。東京道場が満席のときは大阪道場にログインして遊ぶ、という位置づけになっていますが、近年は東京道場の収容量が増強されたためめったに満席にはならず、事実上ほとんどの対局が東京道場で行われていると考えてよいと思います。
なお「地域名を ‘Computer’ と設定」とは、道場の場所とは関係なく、対局者の所在地情報です。
mkomiya said
1000人が上限だったということは観戦希望者はもっといたはずですね。
ゲストだとまったくログイン出来ませんでした。
山田 剛 said
>mkomiyaさん
そうですね。連勝を続けていたピーク時などには深夜2時過ぎでも対局開始後あっという間に1000に到達するような状態でした。もっとも、もっと少ない時間帯もありましたので、会員IDであれば観戦はできたと思います。将棋倶楽部24のゲスト席はかなり少なめのようです。
通行人 said
わあお、、そういうの、あったんですか、、すごいじゃないですか、、。
と、、なると、、5五将棋も、24でできれば、、K55とか、千分の、、さんなど、人間あいてに、、どう活躍するのか、、楽しみですが、、
ま、たぶん、かなり」連勝かなあ?と、、。うひひ。