「コンピュータは七冠の夢を見るか?」歴史を振り返る

将棋世界 2011年 01月号 [雑誌]


月刊将棋世界の連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?」もついに1周年を迎えました。1月号では、1周年記念とは銘打っていないものの、「振り返る」内容となっています。連載を振り返るのではなく、コンピュータ将棋の歴史を、です。

メインは、世界コンピュータ将棋選手権の全20回すべてに出場しているコンピュータ将棋、柿木将棋の開発者の柿木義一さんへのインタビューです。コンピュータチェスからコンピュータ将棋に取り入れた技術、コンピュータ将棋から生まれた独自の技術、ボナンザメソッドによる学習など、開発者たちがコンピュータ将棋を強くするためにいかに創意工夫したか、技術がどのような進化をもたらしたか、ということが、開発者視点で語られます。紹介されている技術には、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」のバックナンバーのおさらいもありますが、コンピュータ将棋の進化と研究の過程として読むと、読者の心に刻まれやすいのではないかと思います。

記事には、コンピュータ将棋前史として、コンピュータの誕生、コンピュータチェスの研究、さらには18世紀につくられた、チェスを指す人形が人気を博していた時代の考証がなされています。計算機史のうんちくとしても面白く読めるのではないでしょうか。

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