Archive for コンピュータ将棋

コンピュータ将棋協会1月例会中止のお知らせ

追記(1/17): JISA様より直々のコメントをいただきました。「勝又教授のコンピュータ将棋最前線~クラスタシステムと“あから2010”の思考~」の申し込みは、JISA会員以外でも分け隔てなく行えるとのことですので、どなたも積極的にお申し込みください。

1月のコンピュータ将棋協会例会(隔月)は、当初の予定が変更され、中止となりました。ご了承ください。

もともと、奇数月第2土曜日の通例にしたがえば1月8日(土)の開催ということになりますが、諸事情にて開催困難のため、第4土曜日の1月22日(土)に開催ということで昨年末に一旦決まっていました。しかし同日、東京都内において、(社)情報サービス産業協会(JISA)による「勝又教授のコンピュータ将棋最前線~クラスタシステムと“あから2010”の思考~」という講演会が開催される、という情報があり(指導対局も行われます)、YSS開発者の山下宏さんBonanza開発者の保木邦仁さんが主催されるほか、多数の関係者の参加が見込まれることから、日程を重ねるのは好ましくないとの判断で、中止することといたしました。

講演会の詳しい情報については、告知のページをよくお読みください(JISAのページの1月6日新着情報)。講演者は世界コンピュータ将棋選手権でお馴染みの「教授」こと勝又清和六段。東京駅近くの日東紡ビルにて同日午後より指導対局が開催され、講演会は15:30からです。当ブログ主が本日先ほどサイトより申込手続きを行った限りではまだ受け付けられているようですが、定員100名、またJISA会員が優先されるという点はご注意ください。

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「コンピュータは七冠の夢を見るか?」人間とコンピュータの協力

将棋世界 2011年 02月号 [雑誌]


月刊将棋世界2月号の連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第13回は、将棋以外のゲーム、バックギャモンと囲碁について、コンピュータのプレイぶりや進化のしかたを論じ、将棋と比較しています。コンピュータのプレイがすでに人間のトップエキスパートを凌駕したといわれるバックギャモンでは、それまでの人間の常識では考えられなかった手筋をコンピュータが披露して結果を残したことがトッププレーヤー自身の口から語られ、将棋でもやがてコンピュータの強さから学ぶことによって人間の方が進歩できる、という未来を示唆しています。一方のコンピュータ囲碁は現在アマチュア四段くらいとのことで、コンピュータ将棋に比べるとまだまだ、という段階ですが、にもかかわらず「冷静な判断力が強み」であり「筋がよい」との評価がコンピュータ囲碁の研究者の口から語られ、初心者が強くなるためのパートナーとしても好適、というお墨付きを得ています。

普段の連載記事以上に広い分野をカバーした話ですが、さまざまなアイデアをあえて将棋雑誌で語るのがこの連載のいいところ。「未来への展望」と冒頭に紹介されていますが、将棋のネット中継でもTwitterボットの主張する指し手がたびたび話題になりますし、「人間とコンピュータの協力関係」は現代においてすでに始まっている、と見てもよいのではないでしょうか。このほかコンピュータバックギャモンやコンピュータ囲碁のアルゴリズムなど、将棋との違いについても興味深く紹介されています。

バックギャモンについてはなじみのない方も多いかもしれませんが、記事中に競技が紹介されています。また、もちろんネットを検索すれば多くの情報が得られます。

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第21回世界コンピュータ将棋選手権 参加者募集中

あけましておめでとうございます。今年もコンピュータ将棋をよろしくお願いいたします。

追記(1/4): この記事を書いた時点ではまだルールのページに情報がありませんでしたが、現在はルールも見られるようになっています。ご参照ください。

さて、当協会では、昨年末より第21回世界コンピュータ将棋選手権への参加者を募集中です。申込受付は今月末までです。

昨年から変わった点のうち主なものを簡単に列挙しておきます。

  • 今回の会場は、一昨年の第19回選手権を開催した早稲田大学国際会議場にて行われます。2交替開催とお考えください。国際会議場は早稲田キャンパスにあります。
  • 開催日時は5月3日(火、祝)〜5日(木、祝)の3連休中です。
  • CSA使用可能ライブラリを利用した参加者に昨年から設けられた予選通過制限が、各ライブラリごとに課されるようになりました。1次予選は2つ、2次予選は1つの枠がそれぞれのライブラリごとに課され、事実上同じライブラリを使用する参加者同士での上位争いが併せて生じることになります。
  • LAN対戦での途中局面からの再開が参加プログラムの推奨機能となりました。

その他の変更点については、第21回世界コンピュータ将棋選手権 参加者募集のお知らせの「前回に参加された方へ」以降をご覧ください。

LAN対戦での途中局面からの再開は、現在でも当協会の公開対局サーバにて行えるようになっていますが、手順がわかりにくいため、よりわかりやすいテスト方式を今月中に導入する予定です。

多くの参加のお申し込みをお待ちしております。

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「将棋世界」がインタラクティブな電子書籍に

コンピュータ将棋との直接的な関連はありませんが、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」を読むために紙の雑誌を読む以外の選択肢があることをお知らせしておきます。将棋の専門誌「将棋世界」が、iPadで読める電子雑誌として購入できるようになりました。しかも映像で再現されているとおり、タッチ操作で記事中の局面の駒を動かして見ることができるという、まったく新しいタイプの「動く雑誌」となっています。

その斬新さゆえ、iPad/iPhoneの情報サイトでも大きく採り上げられています。電子書籍元年と期待された今年、残念ながらまだ日本ではあまり多く目にしませんが、ここまで野心的な試みの電子書籍は世界的に見ても稀少のはず。電子書籍の購入は、こちらのサイトで行うことができます。

将棋の盤面を滑らかに動かすアプリケーションを開発したのは、前回記事にも登場した、柿木将棋の開発者の柿木義一さん。ネット中継でおなじみの機能がついに雑誌にもやってきました。「紙の蔵書を持つほどの熱心な将棋ファンではない」という方もこれを機会にご検討を。

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「コンピュータは七冠の夢を見るか?」歴史を振り返る

将棋世界 2011年 01月号 [雑誌]


月刊将棋世界の連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?」もついに1周年を迎えました。1月号では、1周年記念とは銘打っていないものの、「振り返る」内容となっています。連載を振り返るのではなく、コンピュータ将棋の歴史を、です。

メインは、世界コンピュータ将棋選手権の全20回すべてに出場しているコンピュータ将棋、柿木将棋の開発者の柿木義一さんへのインタビューです。コンピュータチェスからコンピュータ将棋に取り入れた技術、コンピュータ将棋から生まれた独自の技術、ボナンザメソッドによる学習など、開発者たちがコンピュータ将棋を強くするためにいかに創意工夫したか、技術がどのような進化をもたらしたか、ということが、開発者視点で語られます。紹介されている技術には、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」のバックナンバーのおさらいもありますが、コンピュータ将棋の進化と研究の過程として読むと、読者の心に刻まれやすいのではないかと思います。

記事には、コンピュータ将棋前史として、コンピュータの誕生、コンピュータチェスの研究、さらには18世紀につくられた、チェスを指す人形が人気を博していた時代の考証がなされています。計算機史のうんちくとしても面白く読めるのではないでしょうか。

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