Archive for コンピュータ将棋

floodgateで長時間対局

コンピュータ将棋対局場floodgateにて、先月から持時間3時間、それを使い切ると1手1分以内の秒読み、という長時間の「コンピュータ将棋順位戦(仮)」が行われるようになっています。すでに多くのコンピュータ将棋がフリーエントリーして賑わっている15分切れ負け部門と異なり、実力上位のソフトが高性能のコンピュータで動作する少数精鋭部門。現在の参加者は皆、指し手にコメントをつける形で読み筋をリアルタイムで公開しながら指しており、コンピュータたちが何を考えているかよくわかるようになっています。

持時間が通常のfloodgateの12倍以上、世界コンピュータ将棋選手権と比較しても7倍以上になっているだけあって、ほとんどの対局はよりハイレベルな内容になっています。強くなったコンピュータ将棋も、その読み筋を見ると意外な手を読んでいることも多く、世界コンピュータ将棋選手権では期待通りに読んでくれないコンピュータに対する開発者のぼやきがよく聞かれるのですが、持時間3時間では読みも実際の指し手もことごとく急所をとらえているように見受けられます。ただし、ごくまれに、ますます訳のわからない指し手や読み筋になっているものもあるようです。そのような側面からも、観戦して楽しめる内容になっていると思います。特に腕に覚えのある方は、コンピュータ将棋の読み筋と指し手をご自分の読み筋と比較したり、コンピュータ将棋の傾向・強み・弱点などに思いをめぐらせたりしてみてはいかがでしょう。

現在は1日3回、5時・13時・21時の3回のタイミングで対局が開始されるスケジュールが常時稼動しており、都度2局が行われています。もちろん通常のfloodgateと同様、過去の対局もすべてWebで見ることができます。

ちなみにこの持時間設定、秋に控えている大勝負を意識しているように見えますが、私たちはfloodgateで公開実験の現場を見ているのかもしれません。

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「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第8回は並列化

将棋世界 2010年 09月号 [雑誌]


月刊将棋世界9月号の「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第8回は、コンピュータ将棋の探索を並列処理によって高速化する方式を解説しています。

並列探索がなぜ必要か、の説明に始まり、そのためのアルゴリズムの解説と、n個のCPUで並列探索しても速度がn倍にならないことの説明、最後に例の清水女流王将との挑戦状対局に投入される予定のスーパーコンピュータの紹介とその学術的意義、というストーリーに沿った内容。並列化アルゴリズムについては、本職のプログラマでも頭の中を整理するのはなかなか大変なのですが、よく読むと理解できるようになっています。ここではアルゴリズムにPVS(Principal Variation Search、最善応酬探索)を使用するものとして述べられていますが、PVSがなぜ高速か、という決して容易でない理論の理解にも適した説明になっていると思います。

今回はかなり困難なテーマで、一般の読者が読みこなすのは大変と思われますが、並列処理の難しさがありつつも、その威力は明確に示されています。また、挑戦状対局が、将棋のみならず一般の情報科学分野に貢献する取り組みであることが理解できるのではないでしょうか。

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週刊将棋アマCOM戦自戦記 全局掲載完了

週刊将棋にて連載中の「第2回週将アマCOM平手戦」は、最新の7月14日号にて2回戦第5局の自戦記が掲載され、10週にわたって全10局の自戦記がすべて掲載されました。やはりコンピュータは強い、ということで、最終成績は発売中の最新号を購入してご確認ください。

次週週刊将棋7月14日号にて、対抗戦の総括が掲載される予定とのことです。

「コンピュータは七冠の夢を見るか?」でも述べられているように、コンピュータにもまだまだ意外な弱点があります。しかし、その隙はますます見えにくいものになっているようです。いかに団体日本選手権を制した最強の東大将棋部チームといえど、持時間の比較的短い対局でその弱点を突くのは至難の業だった、といえそうです。

挑戦状を受けて立つ清水市代女流王将は、果たしていかなる策を用意してこられるのでしょうか。そんな思いをめぐらすにも示唆に富む連載であったと思います。

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「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第7回も選手権特集

将棋世界 2010年 08月号 [雑誌]


月刊将棋世界8月号の「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第7回は、先月に続き第20回世界コンピュータ将棋選手権の特集。今回は6ページで、通常の連載形式に近い雰囲気です。

今回は、前回以上に実戦の局面を深く検討する内容。大きな話題になった稲庭将棋の作戦とその対策についての研究に多くの誌面を割いています。稲庭将棋の開発者、今野さんのインタビューを交え、コンピュータをいかに罠に陥れるか、対する相手はいかにしてその罠をかいくぐるか、という開発者同士の水面下の攻防がうかがえる点で、学術的な研究や人間同士の対局を採り上げた記事には見られない貴重な内容になっています。上位グループのほとんどすべてが、Bonanzaによって拓かれた機械学習による強化を取り入れる時代の趨勢を認めつつも、あえて開発者自らが機略を巡らす戦いをクローズアップし、現代のコンピュータ将棋の強さよりもむしろ課題をあぶり出す内容になっており、開発者にとっても読み応えのある記事になっているのではないでしょうか。

このほか、コンピュータ将棋がトン死を喫した場面の考察と、マルチコア化の傾向について論じています。

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コンピュータ将棋協会7月例会のお知らせ

7月のコンピュータ将棋協会例会(隔月)は通常通り第2土曜日。

第20回コンピュータ将棋選手権の会場と同じ場所です。


より大きな地図で 電気通信大学西9号館 を表示


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対局サーバテストが行えるのもいつも通りです。参加ご希望の方は、将棋プログラムがインストールされた、イーサネットへの接続が可能なPCをご持参ください。事前のお申し込みは不要です。ログイン名の登録がお済みでない方は、当日の設定を受け付けます。

コンピュータ将棋協会の例会には、コンピュータ将棋協会の会員であればどなたでも事前申込なしに参加していただけます。入会につきましては、こちらをご参照ください。

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