Archive for コンピュータ

第31回世界コンピュータ将棋選手権はオンライン開催に決定しました

現在、当ブログ昨年末の記事でもお伝えしたように、第31回世界コンピュータ将棋選手権の参加者を募集中です。その後、選手権運営委員会において議論を行った結果、昨今の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の日本および神奈川県の感染拡大状況にかんがみ、第31回世界コンピュータ将棋選手権オンライン開催とすることを決定し、そのことを公表した上で、今月末日までの参加者募集を継続することに決定いたしました。

今年5月3日(月・祝)〜5日(水・祝)の3日間、参加者は特定の会場に集合することはなく、代わってインターネット上の対局サーバにコンピュータを接続させて対局を行わせ、1次・2次予選、および決勝リーグを戦い、順位を競うことになります。対局の方式は、昨年5月に第30回世界コンピュータ将棋選手権に代わって行われた世界コンピュータ将棋オンライン大会とおおむね同じになる予定です。第30回選手権は中止という扱いでしたが、第31回選手権は中止とせずオンラインへ移行の上開催となります。したがって3日間の対局日程はおおむね変わらず行われる予定です。また、対局の棋譜のインターネット中継も例年通り行われる予定です。

選手権運営委員会、および当協会は、昨年末に第31回選手権の募集を開始した時点では、一昨年までと同様に会場に集合しての開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に落ち着く様子がみられず、選手権開催当日までに会場での開催が可能な水準に状況が改善することは見込めないと判断し、参加者募集期間終了を待たずにオンライン開催へ移行することを公表して募集を継続することが最善、という結論に至りました。選手権の具体的な運営方法は、後日参加者各位にお知らせする予定です。

繰り返しになりますが、昨年の第30回選手権は中止されておりますので、世界コンピュータ将棋選手権は30回目の開催で史上初めてのオンライン開催となります。従来通りの会場に集合しての開催を楽しみにしておられた参加者の皆様にはまことに残念なはこびとなりましたが、やむを得ない状況とご理解ください。他方、参加者が会場に集合する準備の負担はなくなりましたので、その分広く参加者に申し込んでいただけることを、当協会では期待しております。

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電竜戦TSEC、BURNING BRIDGESが初代王者に

電竜戦TSECファイナルは昨日12月30日(水)20時から31日(木)にかけて54回戦が先後1局ずつ、実に24時間近くにわたって行われ、BURNING BRIDGESがどうたぬき 極に対して108対局を61勝8千日手(先手4、後手4)39敗とし、通算勝数65で優勝、初代王者となりました。おめでとうございます。

B級ウルトラリーグは、25時間を超える戦いの末水匠 予行電竜が勝数78で優勝となりました。

ファイナルおよびB級ウルトラリーグでは1〜9回戦が電王戦におけるプロ棋士とコンピュータ将棋との対局8局で生じた局面が選ばれ、その後はプロ棋士の公式戦の局面、勝又清和七段や遠山雄亮六段による指定局面、江戸時代の棋譜、独自局面などでした。大量の局面があってチェックが大変ですが、個人的には1回戦、第1回電王戦ボンクラーズと米長邦雄永世棋聖の対局で後手の米長永世棋聖の側を持ったコンピュータの指し方が印象に残りました。熱心なファンの方々も、興味がおありの局面を見つけてコンピュータの指し方をチェックしていただくと、面白い発見があるのではないかと思います。

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第31回世界コンピュータ将棋選手権 参加者募集中

例年の年の瀬と同様、2021年5月に開催される第31回世界コンピュータ将棋選手権の参加者募集が開始されています。申込受付は来月1月末日までです。日程は例年通り5月3日〜5日の3日間(2021年は(月・祝)〜(水・祝))です。また、会場は川崎市産業振興会館を予定しています。

しかし今回は前回と異なり、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の状況に応じ、川崎市産業振興会館での開催を断念し、今年5月3日(日・祝)・4日(月・祝)に開催された世界コンピュータ将棋オンライン大会のようなインターネット上での開催とする場合があります。今年5月に予定されていた第30回世界コンピュータ将棋選手権は新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言下にあることなどを鑑みて中止され、その緊急の代替として世界コンピュータ将棋オンライン大会が開催されましたが、第31回選手権は中止とはせずオンラインに移行して開催することで新型コロナウイルス感染症への対応とするものとして、参加者を募集します。

詳細につきましては、参加者募集のお知らせをご覧ください。予定通り川崎市産業振興会館での開催となった場合も、会場での食事つきの懇親会は行われない見込みです。その他、例年とは異なることも多数生じると思われますので、最終的にどのような形での開催となるかは、状況に応じて当協会からお知らせいたします。

多数の参加者をお待ちしております。

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電竜戦TSEC予選1位はBURNING BRIDGES、どうたぬき 極と大晦日決戦へ

電竜戦TSECは昨日26日(土)から本日27日(日)にかけて予選リーグ(勝敗表リーグ表)の先後2局x15回戦、1チームあたり30対局が開催され、BURNING BRIDGESが22.4勝で1位となりました。2位は21.8勝のどうたぬき 極が入りました。この2チームが予選を通過し、12月30日(水)20時からのファイナルに進出しました。ファイナルは24時間を費やし54回戦108対局がこの2チームで戦われます。

3位以下のチームはB級ウルトラリーグに回り、54回戦を超えない範囲で総当たりリーグ戦を繰り返すことになっています。

指定局面からの対局を繰り返す電竜戦TSECでは当然ながら対局の内容が指定局面の選ばれ方に大きく左右されます。1回戦は当ブログでも紹介した映画AWAKEの題材にもなったあの局面が選ばれ、先手の狙い通りに後手が角を打った対局もありました。ただ、後手が角を打たなかった対局が大多数で、また後手が角を打った対局のうち打った角が捕獲されて後手の駒損となる展開はなかったようです。1〜3回戦は過去に電王戦に現れた局面が選ばれました。また、プロ棋士の勝又清和七段遠山雄亮六段が提供した注目の定跡形、語り草となっているプロ公式戦の局面、江戸時代の棋譜などが4回戦〜14回戦の指定局面に選ばれ、また最終15回戦の局面は初型局面を変形して先手に角2枚、後手に飛2枚を置かせた独自局面が指定されました。

予選の勝敗表を見ると、通常のリーグ戦に比べて千日手がやや多めになっている印象を受けます。中には対戦成績が2千日手となった対戦が2カード生じた局面もありました。初型から指すよりも千日手になりやすい局面がいくつかあったようです。また1勝1敗となった対戦カードの多い局面もいくつかあり、先手もしくは後手が勝ちやすい、という局面もあったと見られます(1勝1敗が多くて先手と後手がいい勝負、という局面もありました)。一方、15回戦は後手の飛2枚が先手の角2枚に戦力でまさって有利そうに思えますが、意外にも15回戦で1勝1敗だった対戦は1カードしかなく、他はほとんどが上位チーム2勝という結果でした(下位チームが2勝したのは1カードのみ)。こういった局面の巡り合わせが、順位争いに少なからぬ影響を及ぼしたと考えられます。

結果および棋譜の閲覧は、勝敗表またはリーグ表をご覧ください。

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課題局面はどちらが有利? 電竜戦TSEC、今夜開幕

GCTの優勝で幕を閉じた第1回電竜戦に続き、電竜戦TSEC (Top Shogi Engine Championship)が今日12月26日(土)と30日(水)〜31日(木)の延べ3日間にわたって開催されます。TSECとは、チェスのTCECにならい、指定局面から対局を開始して勝敗を競うというもの。大会の模様はこちらで中継されます。詳しい情報は世界将棋AI 電竜戦のページや、電竜戦公式ツイッターアカウントが提供する情報などをご覧ください。電竜戦と同じく予行演習もすでに開催済み、また練習対局も最近1週間にわたって行われていました。

どのような局面が指定されるか、すべては公表されていないものの、予行演習練習対局の指定局面から、人気の戦型、気になる戦型の序盤ないし中盤戦の入口にさしかかった局面、およびプロ棋戦で実際に指された局面から選ばれるものと予想されます。

あなたの得意戦法、あるいは苦手としている相手の戦型、どちらが有利なのかはかりかねている定跡形などの局面がもし指定局面に選ばれ、そこへコンピュータ将棋が好手を指して勝ったなら、明日からのあなたの対局の役に立つかもしれません。コンピュータに特定の局面を指させて研究、というスタイルはもはやプロ棋士の間でも一般的になったと思われますが、現代のコンピュータ将棋の実力ならば、コンピュータ同士の対局からでも判明することが多々あると思われます。TSECもれっきとした大会であり、指定局面での同一カードは公平を期して先手番/後手番を交互に持って1局ずつ行われますが、優勝の行方は指定局面の傾向により左右されそうです。

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