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第25回世界コンピュータ将棋選手権、決勝リーグに8チームが進出

第25回世界コンピュータ将棋選手権は本日2日目の二次予選が終了。二次予選上位8チームが明日の決勝リーグに進出しました。

今回の選手権で電王戦出場歴を持つチームが6チーム出場していましたが、その6チームがすべて決勝リーグ進出。うち先日の電王戦FINALに出場した初代電王ponanzaはトップ通過で悲願の選手権初優勝を狙います。現電王AWAKEは2位通過で初の選手権決勝リーグ。7位通過のSeleneも初の選手権決勝リーグです。前回選手権覇者のAperyは4位通過。第2回電王戦に出場したGPS将棋は5位通過で3度目の選手権優勝を目指します。第3回電王戦に出場したYSSは8位通過で、自身が持つ選手権決勝リーグへの最多連続出場記録を24に伸ばしました。

ほか、3位通過のNineDayFeverは初出場から3回連続の決勝リーグ進出。6位通過の激指今回選手権で優勝すれば5回目で最多記録に並びます。

対局の内容については、第25回世界コンピュータ将棋選手権 ライブ中継をご覧ください。コンピュータ将棋選手権ネット中継ブログも1次予選に引き続き選手権の模様を伝えています。Twitterのつぶやきはハッシュタグ “#csalive” にて。また、明日はニコニコ生放送決勝リーグ動画中継もご覧ください。

最後に、二次予選の最終順位順の結果をどうぞ。

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第25回世界コンピュータ将棋選手権開幕、9チームが二次予選進出

第25回世界コンピュータ将棋選手権は秒読みルール導入の影響で時間切れ負けがやや多かったものの、1日目が終了し、上位9チームが一次予選を通過しました。

7戦全勝のひまわりを筆頭とした予選通過組には、おから饅頭shogi686nozomiの初出場3チームが含まれ、初出場組の活躍が目立ちました。一方、開会式にて20回参加の表彰を受けた古豪山田将棋も一次予選通過を果たしました。

対局の内容については、第25回世界コンピュータ将棋選手権 ライブ中継をご覧ください。コンピュータ将棋選手権ネット中継ブログは今年も豊富な写真と図面、リンクなどで現地の模様を伝えています。Twitterのつぶやきはハッシュタグ “#csalive” にて。

また、昨年に引き続き、あすの2日目、あさっての3日目に、ニコニコ生放送にて二次予選決勝の動画中継が行われます。過酷な二次リーグ、栄光の決勝リーグをお楽しみに。

最後に、一次予選の最終順位順の結果をどうぞ。1位~9位のチームが明日の二次予選に参戦します。

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5月3日から第25回世界コンピュータ将棋選手権

訂正 (5/1): 当初「あす5月3日」と書き出してしまいましたが、(記事公開日の5月1日から見て)明後日、の誤りでした。お詫びして訂正いたします。5月3日~5日の日付と曜日には訂正はありません。

あす明後日5月3日(日、祝)から5日(火、祝)まで3日間、第25回世界コンピュータ将棋選手権かずさアークかずさアカデミアホール)にて開催されます。


より大きな地図で かずさアーク を表示

最終日3日目の決勝リーグ戦では、飯田弘之六段遠山雄亮五段阿部光瑠五段(予定)による現地大盤解説会が開催されます。現地解説会へはバスまたは自動車でお越しください。東京方面から東京湾アクアラインを通る高速バスのうちアクシー号かずさアーク停留所に直接乗りつけられますのでお勧めです。

棋譜はインターネットライブ中継ブログでも戦いの模様が伝えられます。そして映像はニコニコ生放送にて2日目の2次予選3日目の決勝リーグ戦が生中継されます(タイムシフト予約可能)ので、インターネットでも存分に観戦できます。

電王戦FINALはプロ棋士チームが勝ち越しましたが、一方でその対局条件が各方面で議論の的となりました。世界コンピュータ将棋選手権は条件なし、ソフトウェアだけでなくハードウェアの構築もすべてが勝負のうちとなる無差別級の選手権です。是非お楽しみに。

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将棋電王戦FINAL第五局はAWAKE開発者が投了、団体戦はプロ棋士チーム勝ち越しで決着

本日東京将棋会館で行われた将棋電王戦FINAL第五局、▲阿久津主税八段 – △AWAKEの一戦は、AWAKE開発者の巨瀬亮一さんの判断での投了により、開始から1時間たらずで終局しました。形式的には、21手で阿久津八段の勝ち、ということになるようです。団体戦としては3勝2敗、過去4回の電王戦で初のプロ棋士チームの勝ち越しで決着となりました。

阿久津八段が採用したのは、アマチュア参加企画「電王AWAKEに勝てたら100万円! 」でAWAKEが唯一の敗戦を喫した、AWAKEにわざと△2八角と打ち込ませて△1九角成とさせ、それを▲3八玉~▲5八金左~▲4八金直~▲1七桂~▲6九飛で殺そうという作戦。100万円チャレンジでの持時間10分・秒読み10秒ルールではAWAKEが罠にはまる確率はあまり高くありませんでしたが、持時間5時間・秒読み1分の一発勝負である将棋電王戦FINALAWAKEはその罠に堕ちてしまいました。また100万円チャレンジではAWAKEが△2八角を打っても挑戦者がその後に正確に受け切れず、1局を除いてAWAKEが勝ちましたので、投了せず対局を続ければAWAKEにも勝ち目があるようにも思われましたが、開発者は潔く投了。巨瀬さんはご自身も棋力の高い方ですので、判断は妥当なのでしょう。

電王戦では今までも、入玉模様や投了のタイミング、角不成に対するバグによる終局など、さまざまな決着の形やそれに対する議論がありましたが、今回の結末もまた物議をかもすことになるでしょう。今回のこれはバグではなくコンピュータ将棋の弱点を突かれたもので、コンピュータは弱いから負けたのだ、ということになるでしょう。昨今、人工知能に対する関心が世界的に高まっていますが、このようなセキュリティーホールを突かれても人工知能は正常に機能できるか、という議論は今後数多くなされるであろうと思われます。そういう意味も含め、阿久津八段は対戦相手に対するベストプレーを行った、と言えるでしょう。今回のことが批判の対象となるとすれば、対局者でなく、対局者の片方が一方的に開発成果を閲覧できる上に、他方は開発期限以降の改良を認めない(ホモロゲーション)、というレギュレーションの是非が問われるべきでしょう。今回は当初の予定を変更し、当ブログを午前中に取り急ぎ更新いたします。

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新刊紹介: ドキュメント コンピュータ将棋

当ブログにて昨夏にご紹介した ルポ 電王戦の著者、松本博文さんによるコンピュータ将棋の著作第2弾。出版社が異なるものの前作から1年たらず、好評につき矢継ぎ早の続刊…かと思いきや、続編という位置づけではない、とのこと。将棋の歴史に登場した、異端としてのコンピュータ将棋が、プロ棋士や将棋ファンの考え方や感情、価値観に及ぼすさまざまな影響。時には江戸時代の故事やしきたりにも言及しつつ、人間の感覚とかけ離れた指し手、投了をめぐる問題、必勝形となりながら入玉形になると途端に拙くなり引き分けに持ち込まれるさま、果ては訴訟に発展した筆禍事件などなど、広範囲のエピソードと多様な考え方を紹介しています。

しかしながら全9章の章立ての大半は電王戦の対戦カードであり、特に本書の中盤から終盤、電王戦FINALに登場する5人の棋士と5つのコンピュータ将棋の来歴にぐいぐいと引き込まれます。いかにしてここまで来たか、なぜ戦うのか、なぜ強くなれたのか、技術解説は大まかな概念レベルにとどまってはいるものの、それぞれの技能と情熱が両輪となって、最高レベルの将棋にまで登りつめるさまが描かれています。また、天才たちが紡ぐドラマ、という副題に現れているように、強くなる/強くする喜び、人との出会い、良きライバル同士が刺激し合い、またBonanzaストックフィッシュのソースコードなどを通じた技術交流と、そこにはきわめて社会的な、人間くさい姿があらわれています。その天才の中にも、5歳でプログラミングを始めた早熟な人から、人生の挫折を経験した後で始めた人まで、さまざまな姿があります。

電王戦FINALの対戦カードが決まってから本番まで、と限られた時間にもかかわらず緻密で正確な取材、また著者得意の将棋の図面や写真をあえて使わず文章のみで一気に読めるスタイルは、前作を引き継いでいます。著者が長年にわたって積み重ねた将棋についての知識と教養、そしてコンピュータ将棋選手権ネット中継を担当した蓄積に裏付けられた、付け焼刃では決して書けない内容。伝統技芸と最新技術の組み合わせをミスマッチでなくコントラストとして鮮やかに描き出しています。明日、終焉を迎える電王戦FINALの前に読み切るもよし、戦いの後でじっくりと振り返るもよし。ともあれ、前作に続いて是非皆さんにお読みいただきたい著作です。

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