Archive for コンピュータ

ゲームプログラミングワークショップ2012 参加募集開始

第17回ゲームプログラミングワークショップ 2012 (GPW-12)参加申込受付が始まりました。今年も紅葉の季節の箱根で金曜日を含む週末3日間に開催。11月9日(金)~11日(日)ですので、お仕事のある方はお休みのご手配を。

今年のプログラム (暫定版)も多彩な内容の研究発表のほか、2回の招待講演ではコンシューマゲーム開発者による人工知能技術をテーマにするなど盛り沢山。そして恒例の夜更かしイベント、コンピュータ将棋 & コンピュータ5五将棋 & コンピュータ囲碁(9路盤/13路盤の2種目)の大会もGPW杯の名のもとに行われます。昨年はコンピュータ将棋大会が小規模なものになってしまいましたが、今年は例年どおり初日と2日目の夜にフル日程で行われる予定ですので、開発者の皆さんは是非ご参加ください。

GPW杯コンピュータ将棋大会は、将棋プログラムがインストールされた、イーサネットへの接続が可能なPCとイーサネットケーブル1本をお持ちくだされば、どなたでもその場でGPW杯コンピュータ将棋大会に参加できます。その場でログインアカウントを作ることもできます。人としての参加者も歓迎します。

参加費がちょっとお高いのもいつもの通りですが、学生さんには少し優しいお値段になっています。経験不問。コンピュータ将棋をはじめとして囲碁や5五将棋、その他の多くのゲームの開発者の方、もしくは興味をお持ちの方、多くのご参加を楽しみにしております。

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新刊: 人間に勝つコンピュータ将棋の作り方

人間に勝つコンピュータ将棋の作り方 [単行本(ソフトカバー)]


9月29日、当コンピュータ将棋協会の監修による新刊、人間に勝つコンピュータ将棋の作り方が、技術評論者から発刊されました。表紙イラストが示すように、あから2010の開発と女流プロ棋士との対局、およびその周辺を主題としています。

清水市代女流王将(当時)あから2010の対局からはや2年近く経過しており、この対局に関する書籍もすでにありますが、あから2010に実際に導入された技術の詳細な解説書は「情報処理」などの学術的専門誌を除いて初めてです。

内容が専門的である点は、共立出版コンピュータ将棋の進歩シリーズに近い分野になりますが、背景としてのコンピュータ将棋の開発史や、プロ棋士との一発勝負という特性を考慮した上で選んだ作戦の解説など、エピソード的な要素を多く含みます。特筆すべきは、アマチュアのエキスパートプレーヤーによるコンピュータ将棋の特徴と弱点の分析が含まれている点で、技術の客観的な評価を重視しているというだけでなく、第2回以降の電王戦に出場するプロ棋士にとっても必読の内容といえそうです。

豪華12名の執筆陣による新刊としてはお手頃なお値段なのではないかと思います。コンピュータ将棋の技術の盛り沢山なトピックスを貴方も是非この1冊で。

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将棋世界7月号に第22回世界コンピュータ将棋選手権

将棋世界 2012年 07月号 [雑誌]

月刊将棋世界7月号にて、第22回世界コンピュータ将棋選手権の紹介記事が掲載されています。記事は昨年に続き松本哲平さんの執筆10ページ。

来年に予定されている第2回電王戦第22回選手権の上位5チームがプロ棋士と対戦することがすでに決まっていることもあってか、人間との実力比較を意識させる構成になっています。もう人間より強いのではないか、という声が出始めたことを紹介する一方、入玉の展開になったときに見せる不可解な指し手など、コンピュータ将棋の弱点にもきっちり触れています。もちろん具体的な指し手の詳細な分析により、ねじり合いの力強さや終盤の鋭さなども紹介。結語には、レベルの向上を讃える一方で、電王戦ではプロ棋士の強さへの期待もにじませる内容になっています。今やハイレベルな棋戦として誌上でも完全に定着しており、優勝争いや予選枠争いの白熱の過程を追った部分も不自然なところがまったくありません。

丹念なインタビューをもとにした技術の紹介も随所にありますので、コンピュータ将棋開発者にとっても有意義な内容になっています。優勝したGPS将棋から、一次予選通過8チーム中6チームを占めた初出場組が持ち込んだ技術までを紹介。大規模並列化傾向のほか、技術情報の共有により開発を効率化させる一方で各開発者の独自の技術や思想も盛り込む、といった具合に、開発者の醍醐味も紹介しています。

7月号発売からご紹介が大幅に遅れ、そろそろ8月号発売の時期となってしまいましたがご了承ください。

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第22回世界コンピュータ将棋選手権者はGPS将棋

第22回世界コンピュータ将棋選手権は、ニコニコ生放送ライブ中継のページコンピュータ将棋選手権ネット中継ブログにて報じられたとおり、GPS将棋の3年ぶり2度目の優勝で幕を閉じました。続いて準優勝は昨年優勝のボンクラーズの後継であるPuella α、3位に昨年の新人賞のツツカナ、4位ponanza、5位習甦の入賞順となりました。この5チームが第2回電王戦の出場権を獲得したことが、表彰式にて公益社団法人 日本将棋連盟より公式に発表されました

最初の3局で唯一の無敗となったGPS将棋が第4、5局も勝って首位を快走。そして第6局も勝てば最終局を待たず優勝決定の可能性もありましたが、Puella αが粘りの入玉でこれを阻止して優勝の行方は最終局へ。しかし最後はponanzaを過激な仕掛けで攻略したGPS将棋の優勝となりました。

優勝候補の一角が2次予選で姿を消すなど、ますます激戦となった今年はコンピュータ将棋のレベルアップが継続していることを示しましたが、同時に意外な逆転劇が決勝リーグでもいくつか見られました。コンピュータ将棋の終盤力にも実はまだ強くなる余地が残されているようです。特に、入玉を目指して粘る相手に波乱を起こされやすい傾向が見られました。この課題が第2回電王戦では克服されるのかどうか、ますます目が離せません。

勝敗表および対局の内容については、棋譜ライブ中継サイトをご覧ください。映像については、現在でもニコニコ生放送のタイムシフト予約で視聴することができます(未予約の番組を放送後にタイムシフト視聴するにはプレミアム会員である必要があります)。Twitterはこちら。キーポイントはコンピュータ将棋選手権ネット中継ブログで振り返ることができます。

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第22回世界コンピュータ将棋選手権、激戦の末8チームが決勝へ

第22回世界コンピュータ将棋選手権は2日目の激戦が行われ、8チームが二次予選を通過し決勝リーグに進出しました。勝敗表は上記ページ、もしくは中継サイトで見られます。

今回の二次予選はシード枠が廃止されたことで、すべての強豪チームが勢ぞろいしました。そのためか、第1、第2局ではほとんどの対局を上位チームが制し、実績豊富な上位陣の強固さを示しましたが、局が進み対局者同士の実力が近づくにつれ徐々に波乱の度合を増していきました。その結果、昨年までなら二次予選免除枠内の地位であった一部強豪が決勝リーグ進出を逸するという激戦となりました。明日の決勝リーグ進出を果たしたのは、GPS将棋ponanzaツツカナPuella α激指、習甦、BlunderYSSの8チームでした。

今回からのシード枠廃止は、決勝進出枠が5しかない昨年までの制度があまりに狭き門だったために行われましたが、この苛烈な結果は、制度変更の意義を示したともいえます。

対局の内容については、棋譜ライブ中継サイトをご覧ください。ニコニコ動画では、最終日には昨年同様に解説会が見られるでしょう。Twitterはこちら。キーポイントはコンピュータ将棋選手権ネット中継ブログでチェックしましょう。また、最終日の東京は初日・2日目と異なり好天に恵まれそうですので、現地解説会に足をお運びください。

明日はいよいよ決勝リーグ。王者の行方はいかに。

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