Archive for コンピュータ

「将棋世界」がインタラクティブな電子書籍に

コンピュータ将棋との直接的な関連はありませんが、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」を読むために紙の雑誌を読む以外の選択肢があることをお知らせしておきます。将棋の専門誌「将棋世界」が、iPadで読める電子雑誌として購入できるようになりました。しかも映像で再現されているとおり、タッチ操作で記事中の局面の駒を動かして見ることができるという、まったく新しいタイプの「動く雑誌」となっています。

その斬新さゆえ、iPad/iPhoneの情報サイトでも大きく採り上げられています。電子書籍元年と期待された今年、残念ながらまだ日本ではあまり多く目にしませんが、ここまで野心的な試みの電子書籍は世界的に見ても稀少のはず。電子書籍の購入は、こちらのサイトで行うことができます。

将棋の盤面を滑らかに動かすアプリケーションを開発したのは、前回記事にも登場した、柿木将棋の開発者の柿木義一さん。ネット中継でおなじみの機能がついに雑誌にもやってきました。「紙の蔵書を持つほどの熱心な将棋ファンではない」という方もこれを機会にご検討を。

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「コンピュータは七冠の夢を見るか?」歴史を振り返る

将棋世界 2011年 01月号 [雑誌]


月刊将棋世界の連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?」もついに1周年を迎えました。1月号では、1周年記念とは銘打っていないものの、「振り返る」内容となっています。連載を振り返るのではなく、コンピュータ将棋の歴史を、です。

メインは、世界コンピュータ将棋選手権の全20回すべてに出場しているコンピュータ将棋、柿木将棋の開発者の柿木義一さんへのインタビューです。コンピュータチェスからコンピュータ将棋に取り入れた技術、コンピュータ将棋から生まれた独自の技術、ボナンザメソッドによる学習など、開発者たちがコンピュータ将棋を強くするためにいかに創意工夫したか、技術がどのような進化をもたらしたか、ということが、開発者視点で語られます。紹介されている技術には、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」のバックナンバーのおさらいもありますが、コンピュータ将棋の進化と研究の過程として読むと、読者の心に刻まれやすいのではないかと思います。

記事には、コンピュータ将棋前史として、コンピュータの誕生、コンピュータチェスの研究、さらには18世紀につくられた、チェスを指す人形が人気を博していた時代の考証がなされています。計算機史のうんちくとしても面白く読めるのではないでしょうか。

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GPW杯コンピュータ将棋はBonanzaが全勝優勝

GPW杯2010将棋大会

ご報告がたいへん遅れまして申し訳ありません。先月開催されたゲームプログラミングワークショップ(GPW)2010の中で11月12日(金)、13日(土)の両日に行われたGPW杯コンピュータ将棋大会は、リーグ表のとおりBonanzaが9戦全勝で優勝しました。おめでとうございます。Bonanza楽観(的)合議として出場した昨年に続く2年連続の全勝優勝と、箱根では圧倒的な強さを誇っています。全体的なレベルアップも顕著だったようで、今年は人として参加していただいた方々にとって過酷な結果となったようです。今回は前回のような大きなトラブルはどうやら避けられたようで、主催者側としてもホッとしています。皆さん深夜の激闘お疲れさまでした。

今年はリーグ表から棋譜にリンクするようにいたしましたので、掲載遅れをお許しください。未公開のままになっている昨年の棋譜もできるだけ早いうちに公開したいと思っています。

今回のGPW-10でも多彩な発表がありました。ゲーム一般に応用可能な技術から「立体ピクロス」のような特定のパズルに関するもの、英語の招待講演、「清水市代女流王将vs.あから2010」のかなりマニアックなレビューなどバリエーションに富み、これでパーティに参加して深夜のGPW杯3競技をこなして温泉につかったらもう息つく暇もない、というてんこ盛りの内容でした。

GPW-10を採り上げているウェブサイトとしては、以下をごらんください。

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「清水市代女流王将vsあから2010」将棋世界にて観戦記

将棋世界 2010年 12月号 [雑誌]


月刊将棋世界12月号は、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」特別企画として、10月11日に行われた「清水市代女流王将vs.あから2010」の8ページにわたる観戦記を掲載しています。この連載らしく、体裁は一般の将棋ファンにとっておなじみの普通の観戦記スタイルをとりつつも、コンピュータ将棋独自の考え方を所狭しと凝縮する内容になっています。対局者の清水市代女流王将と、多数のプロ棋士が現地で検討を行う控室、というおなじみの顔ぶれに加え、「あから2010」の側は、激指GPS将棋BonanzaYSSの4者が「合議」を行う模様と、さらに作戦を立てる開発者、そして勿論多数の観客と、その「登場人物」の多さでは異色の観戦記、ともいえます。

特に勝負の趨勢が決まった場面では、各「登場人物」の動向が事細かに
取材され、戦いの機微が再現されています。11月12日(金)のゲームプログラミングワークショップイブニングセッションでも、この観戦記は貴重な資料となるでしょう。

観戦記だけでなく、今号の最初のページを見開いた左側には、清水女流王将がこの対局の初手を指す場面のカラーグラビア写真が掲載されています。開幕したばかりの第23期竜王戦七番勝負第一局に勝るとも劣らない話題性の高い勝負、と認められたことを示している、という意味でも、コンピュータ将棋にとって記念すべき号といえると思います(表紙の写真には竜王戦第一局が選ばれています)。

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ゲームプログラミングワークショップ2010 参加募集開始

第15回ゲームプログラミングワークショップ 2010 (GPW-10)参加申込受付が始まっています。金曜日を含む週末3日間、紅葉の季節の箱根で開催されるスタイルは今年も変わらず。11月12日(金)~14日(日)ですので、お仕事のある方はお休みのご手配を。

今年もプログラム (暫定版)は盛り沢山。ナイトイベントは今年もGPW杯コンピュータ将棋大会、GPW杯9路盤コンピュータ囲碁大会、GPW杯5五将棋大会コンピュータ将棋協会主催のGPW杯コンピュータ将棋大会は、世界コンピュータ将棋選手権でのLAN対局のための準備大会の役割を兼ねており、会場のLANに参加者のコンピュータを接続して行われます。なお、ネットでのコンピュータ将棋オープン戦は今秋も行いませんので、このナイトイベントがコ ンピュータオリンピアード金沢大会に続く腕試しの機会ということになるでしょう。

またイブニングセッションでは、清水市代女流王将vs.あから2010でのコンピュータ将棋の勝利を記念して『トッププロ棋士との特別対局 「清水市代女流王将vs.あから2010」を振り返る』が行われます。当協会の毎年5月の例会では、世界コンピュータ将棋選手権を振り返っていますが、今回は秋のイベントということで、はるかに参加人数の多いGPWで行えることになりました。何か新事実が聞けるかも?! これは楽しみですね。

招待講演も豪華。コ ンピュータオリンピアード金沢大会の19路盤部門で優勝したEricaの開発者と、人間との公式戦に勝利したコンピュータポーカーPolarisの開発者が、その技術をたっぷりと伝えます(講演は英語で通訳はなし)。

GPW杯コンピュータ将棋大会は、将棋プログラムがインストールされた、イーサネットへの接続が可能なPCとイーサネットケーブル1本をお持ちくだされば、どなたでもその場でGPW杯コンピュータ将棋大会に参加できます。その場でログインアカウントを作ることもできます。人としての参加者も歓迎します。

年々研究レベルも上がっていると評判のGPWですが、学生など経験の浅い人も気軽に参加できる点はこれまでと同じ。参加費はちょっとお高いですが、学生さんには少し優しいお値段になっています。コンピュータ将棋をはじめとして囲碁や5五将棋、その他の多くのゲームの開発者の方、もしくは興味をお持ちの方、多くのご参加を楽しみにしております。

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