Archive for コンピュータ

第21回世界コンピュータ将棋選手権 参加者募集中

あけましておめでとうございます。今年もコンピュータ将棋をよろしくお願いいたします。

追記(1/4): この記事を書いた時点ではまだルールのページに情報がありませんでしたが、現在はルールも見られるようになっています。ご参照ください。

さて、当協会では、昨年末より第21回世界コンピュータ将棋選手権への参加者を募集中です。申込受付は今月末までです。

昨年から変わった点のうち主なものを簡単に列挙しておきます。

  • 今回の会場は、一昨年の第19回選手権を開催した早稲田大学国際会議場にて行われます。2交替開催とお考えください。国際会議場は早稲田キャンパスにあります。
  • 開催日時は5月3日(火、祝)〜5日(木、祝)の3連休中です。
  • CSA使用可能ライブラリを利用した参加者に昨年から設けられた予選通過制限が、各ライブラリごとに課されるようになりました。1次予選は2つ、2次予選は1つの枠がそれぞれのライブラリごとに課され、事実上同じライブラリを使用する参加者同士での上位争いが併せて生じることになります。
  • LAN対戦での途中局面からの再開が参加プログラムの推奨機能となりました。

その他の変更点については、第21回世界コンピュータ将棋選手権 参加者募集のお知らせの「前回に参加された方へ」以降をご覧ください。

LAN対戦での途中局面からの再開は、現在でも当協会の公開対局サーバにて行えるようになっていますが、手順がわかりにくいため、よりわかりやすいテスト方式を今月中に導入する予定です。

多くの参加のお申し込みをお待ちしております。

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「将棋世界」がインタラクティブな電子書籍に

コンピュータ将棋との直接的な関連はありませんが、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」を読むために紙の雑誌を読む以外の選択肢があることをお知らせしておきます。将棋の専門誌「将棋世界」が、iPadで読める電子雑誌として購入できるようになりました。しかも映像で再現されているとおり、タッチ操作で記事中の局面の駒を動かして見ることができるという、まったく新しいタイプの「動く雑誌」となっています。

その斬新さゆえ、iPad/iPhoneの情報サイトでも大きく採り上げられています。電子書籍元年と期待された今年、残念ながらまだ日本ではあまり多く目にしませんが、ここまで野心的な試みの電子書籍は世界的に見ても稀少のはず。電子書籍の購入は、こちらのサイトで行うことができます。

将棋の盤面を滑らかに動かすアプリケーションを開発したのは、前回記事にも登場した、柿木将棋の開発者の柿木義一さん。ネット中継でおなじみの機能がついに雑誌にもやってきました。「紙の蔵書を持つほどの熱心な将棋ファンではない」という方もこれを機会にご検討を。

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「コンピュータは七冠の夢を見るか?」歴史を振り返る

将棋世界 2011年 01月号 [雑誌]


月刊将棋世界の連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?」もついに1周年を迎えました。1月号では、1周年記念とは銘打っていないものの、「振り返る」内容となっています。連載を振り返るのではなく、コンピュータ将棋の歴史を、です。

メインは、世界コンピュータ将棋選手権の全20回すべてに出場しているコンピュータ将棋、柿木将棋の開発者の柿木義一さんへのインタビューです。コンピュータチェスからコンピュータ将棋に取り入れた技術、コンピュータ将棋から生まれた独自の技術、ボナンザメソッドによる学習など、開発者たちがコンピュータ将棋を強くするためにいかに創意工夫したか、技術がどのような進化をもたらしたか、ということが、開発者視点で語られます。紹介されている技術には、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」のバックナンバーのおさらいもありますが、コンピュータ将棋の進化と研究の過程として読むと、読者の心に刻まれやすいのではないかと思います。

記事には、コンピュータ将棋前史として、コンピュータの誕生、コンピュータチェスの研究、さらには18世紀につくられた、チェスを指す人形が人気を博していた時代の考証がなされています。計算機史のうんちくとしても面白く読めるのではないでしょうか。

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GPW杯コンピュータ将棋はBonanzaが全勝優勝

GPW杯2010将棋大会

ご報告がたいへん遅れまして申し訳ありません。先月開催されたゲームプログラミングワークショップ(GPW)2010の中で11月12日(金)、13日(土)の両日に行われたGPW杯コンピュータ将棋大会は、リーグ表のとおりBonanzaが9戦全勝で優勝しました。おめでとうございます。Bonanza楽観(的)合議として出場した昨年に続く2年連続の全勝優勝と、箱根では圧倒的な強さを誇っています。全体的なレベルアップも顕著だったようで、今年は人として参加していただいた方々にとって過酷な結果となったようです。今回は前回のような大きなトラブルはどうやら避けられたようで、主催者側としてもホッとしています。皆さん深夜の激闘お疲れさまでした。

今年はリーグ表から棋譜にリンクするようにいたしましたので、掲載遅れをお許しください。未公開のままになっている昨年の棋譜もできるだけ早いうちに公開したいと思っています。

今回のGPW-10でも多彩な発表がありました。ゲーム一般に応用可能な技術から「立体ピクロス」のような特定のパズルに関するもの、英語の招待講演、「清水市代女流王将vs.あから2010」のかなりマニアックなレビューなどバリエーションに富み、これでパーティに参加して深夜のGPW杯3競技をこなして温泉につかったらもう息つく暇もない、というてんこ盛りの内容でした。

GPW-10を採り上げているウェブサイトとしては、以下をごらんください。

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「清水市代女流王将vsあから2010」将棋世界にて観戦記

将棋世界 2010年 12月号 [雑誌]


月刊将棋世界12月号は、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」特別企画として、10月11日に行われた「清水市代女流王将vs.あから2010」の8ページにわたる観戦記を掲載しています。この連載らしく、体裁は一般の将棋ファンにとっておなじみの普通の観戦記スタイルをとりつつも、コンピュータ将棋独自の考え方を所狭しと凝縮する内容になっています。対局者の清水市代女流王将と、多数のプロ棋士が現地で検討を行う控室、というおなじみの顔ぶれに加え、「あから2010」の側は、激指GPS将棋BonanzaYSSの4者が「合議」を行う模様と、さらに作戦を立てる開発者、そして勿論多数の観客と、その「登場人物」の多さでは異色の観戦記、ともいえます。

特に勝負の趨勢が決まった場面では、各「登場人物」の動向が事細かに
取材され、戦いの機微が再現されています。11月12日(金)のゲームプログラミングワークショップイブニングセッションでも、この観戦記は貴重な資料となるでしょう。

観戦記だけでなく、今号の最初のページを見開いた左側には、清水女流王将がこの対局の初手を指す場面のカラーグラビア写真が掲載されています。開幕したばかりの第23期竜王戦七番勝負第一局に勝るとも劣らない話題性の高い勝負、と認められたことを示している、という意味でも、コンピュータ将棋にとって記念すべき号といえると思います(表紙の写真には竜王戦第一局が選ばれています)。

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