Archive for コンピュータ

週刊将棋アマCOM戦自戦記連載 折り返し

週刊将棋にて連載中の「第2回週将アマCOM平手戦」は、最新の6月9日号にて1回戦の5局の自戦記が掲載され、2回戦制で行われた計10局のうち半分の自戦記が掲載されました。現時点での戦績は発売中の最新号を購入して確認していただくことにしてここでは伏せますが、コンピュータ好調、とだけいっておきましょう。

コンピュータ将棋も、人間相手には時折スキを見せることがまだまだあるのですが、最近の棋力向上により、その弱点をつくことはますます難しくなっているようです。相対する東大将棋部チームのメンバーも真剣に対策を用意し、特に序盤作戦を練りに練っている様子が自戦記から伺えますが、一発勝負で狙い通りに運ぶことは、社会人チームをも破って日本一の座についているメンバーでも至難の業のようです。

来週号からは2回戦の自戦記の連載が開始されます。1回戦の持ち時間30分・秒読み60秒から、2回戦は持ち時間10分・秒読み30秒とかなりの早指しになります。また新しい展開、新しい内容の勝負が待ち受けるのか、楽しみですね。

Comments (4)

「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第6回は選手権特集

将棋世界 2010年 07月号 [雑誌]


月刊将棋世界7月号の「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第6回は、第20回世界コンピュータ将棋選手権の10ページ特集です。例年、将棋世界には世界コンピュータ将棋選手権を大きく取り上げていただいていますが、今年は「コンピュータは七冠の夢を見るか?」の連載枠のお陰か、対局の内容についても、またコンピュータの技術面でも、かなり詳細なレポートになっています。

著者の松本哲平さんは、上位プログラムや話題のプログラムの開発者のインタビューを多く掲載し、各プログラムの技術的な紹介をカバーしつつ、注目の対局についても詳細な解説を執筆。当日の会場の写真も多数掲載し、現場の興奮を伝えています。挑戦状の話題ももちろん踏まえつつ、

…現在はすでに3000点を超える将棋プログラムが多く出てきている状況だ。その一方で、そうした強豪プログラムが特定の戦法に手も足も出ないことがある、という興味深い一面もある。コンピュータ対人間というステージでは、コンピュータにも人間にも、まだまだ多くの可能性が残されていそうだ。

と締めくくっています。本稿は一般の将棋ファン向けにはもちろん、コンピュータ将棋研究の動向、その強さを分析する上でも、さらに強いコンピュータ将棋の開発を目指す開発者にも、またプロ棋士とコンピュータ将棋の対局を控え、自分がコンピュータ将棋と真剣勝負を戦うならどう指すか、を考えるプロ棋士やアマチュア強豪にも、多くの示唆を与える内容になっていると思います。

Comments (1)

週刊将棋で選手権記事 & アマCOM戦自戦記開始

週刊将棋2010年5月12日号にて、第20回世界コンピュータ将棋選手権の結果を伝える記事と、「第2回週将アマCOM平手戦」の最初の自戦記が掲載されていますが、

  • 秋に清水女流二冠と対戦するコンピュータ将棋はまだ決まっていません。こちらにも書かれているとおり、第20回世界コンピュータ将棋選手権の勝者が出場するわけではありません。決定は本番一か月前までとあり、現在はまだ開発中の段階、といえるでしょう。
  • GPS将棋の紹介を執筆しているのは、金子知適さんですね。

第20回世界コンピュータ将棋選手権は背表紙を含む2ページにわたって掲載されていて、週刊将棋ではタイトル戦に準ずる扱いですが、それでもかなり凝縮して書かれた印象で、選手権のボリューム感が伝わります。「第2回週将アマCOM平手戦」の連載は中央見開き2ページの大型連載。こちらはこれからも楽しみです。

Comments (1)

「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第5回は詰将棋

将棋世界 2010年 06月号 [雑誌]


月刊将棋世界6月号に掲載された連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?」の第5回は、詰将棋を採り上げています。コンピュータ将棋が詰将棋を超高速で解けることはよく知られていますが、それは単に処理が速いから解けるわけではなく、詰将棋向けのアルゴリズムがあるからこそできる、ということがわかりやすくに説明されています(ただし、わかりやすすぎてこの説明からプログラムを書くのは難しいでしょう)。

紹介されているアルゴリズムはdf-pnで、これは世界コンピュータ将棋選手権の多くの出場者が実装しているおなじみのアルゴリズムですが、Bonanzaなど実装していなくても強いプログラムは存在します。しかし先日の第20回世界コンピュータ将棋選手権ではBonanza Felizは決勝リーグで自玉の詰みを事前に読めずに敗れる対局が続いたので、これからこの分野も強化が進むかもしれません。詰将棋を解くアルゴリズムは、やはりコンピュータ将棋にとって重要な技術といえそうです。

記事中には実戦詰将棋が例題として掲載されており、これらにチャレンジしたという報告もすでにあります(こちらこちら)。一方、コンピュータが詰将棋を創作する研究も紹介されていますが、こちらはまだ大きな成果には至っておらず、課題が多く残されています。今回も、記事中には多くのWebページへのリンクが紹介されており、特に詰将棋おもちゃ箱へのリンクをご存じなかった方はこれを機会にブックマークに追加しましょう。今回の記事は、詰将棋関連のリファレンスとしても有用でしょう。

また今月号では、例の挑戦状の件についてももちろん紹介されています。巻中中央の見開き2ページのカラーページには、挑戦状の説明、および挑戦手合を主催する女流棋士会ファンクラブ「駒桜」への入会を募る内容が記されています。

Comments (1)

第2回週将アマCOM平手戦 連載開始

週刊将棋2010年5月5日号にて、「第2回週将アマCOM平手戦」の連載が開始されました。4年前の2006年に行われた第1回と同様、アマチュア強豪チームとコンピュータ将棋チームとが5対5で対戦する団体戦ですが、今回のアマ強豪チームは東京大学将棋部の現役部員5人、COM将棋チームはGPS将棋激指YSSBonanza、棚瀬将棋の5つのソフトとなっています。

連載第1回の今週は、団体戦の概要、出場者紹介、出場者の開始時のコメント等となっています。団体戦はすでに終了しており、連載第2回以降は出場者の自戦記が掲載される予定です。4年前と同じ見開き2ページの大型連載企画。発売日は本日付ですがすでに駅の売店等で販売されていますので、お買い求めはお早めに。まずは出場者のコメントが味わい深いところ。これが対局後にどう変わったか、非常に楽しみです。

Comments (1)

« Newer Posts · Older Posts »