Archive for コンピュータ

コンピュータ将棋界で意外に知られていないこと、あるいは当ブログ主が知らないこと

[shogi] 日本コンピュータチェス協会(JCCA)について私が知っている100のこと(1)

「日本コンピュータチェス協会」と言ってもたぶん知っている人を探すほうが難しいだろう。しかし、コンピュータ将棋関係者ならば一度ぐらいは名前を聞いたことがあるかも知れない。

まったく知りませんでした。嗚呼。

知らなかったのは駒の価値の学習手法についても同じで、駒の価値のEloレーティング計算も、Bradley-Terryモデルも、それぞれ「棋理(遠見)」開発日記さんと、かずの心の贅肉さんの記事が初見でした。もっとも、知った後に論文を取り寄せて勉強していたりもしないわけですが(汗)。いずれの方法も、「歩<香<桂<銀<金<角<飛」の序列におおむね沿っていますね。ただ、少しだけ言い訳をさせていただくと、Eloレーティングは飛車の価値が低く、Bradley-Terryモデルは逆に飛車の価値が高すぎるように見えることもあって、チェックが甘くなっていました。

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コンピュータ将棋入門2.1

昨年の記事にて、うさぴょんの育ての親さんのコンピュータ将棋のWikiをご紹介いたしました。そして最近、やねうらおさんによるコンピュータ将棋wikiが公開されました。よい機会ですので、Wikiについて少し詳しく説明してみます。

ウィキといえば何と言っても有名なのがウィキペディアですが、コンピュータ将棋のWikiもこれと同じく、誰にでも記事の追加・改変が可能な、知識集約用のWebサイトです。ウィキでの記事の書き方については、ウィキペディアウィキの説明から各方面へのリンクをたどるのがわかりやすいでしょう(反対にここでの説明はわかりにくくなっていますが、ウィキペディアウィキによって作られた百科事典を意味しますので、両者を混同しないよう気をつけましょう)。ともに今後、コンピュータ将棋のあらゆる事柄がいろいろな人に追記されることによって成長していくことが期待されます。

うさぴょんの育ての親さんのコンピュータ将棋のWikiは、用語の説明の比重が高くなっていますが、やねうらおさんのコンピュータ将棋wikiはコンピュータ将棋関連サイトへのリンクが充実しています。コンピュータ将棋関連のblogの先頭には当ブログを載せていただいていて、非常に恐縮です。ありがとうございます。どちらも、コンピュータ将棋を知るためには欠かせない情報にアクセスできますので、皆さんもぜひ一度、両方のWikiのリンクをサーフィンしてみてください。そして見聞を深め、やがてWikiの記事を増やして貢献される方が1人でも多く現れることを願っております。

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第9回コンピュータ将棋オープン戦

前回お知らせした、第9回コンピュータ将棋オープン戦は、なんとか4回戦が行われ、柿木将棋前回に引き続き4戦全勝と貫禄を見せました。参加された皆さん、お疲れさまでした。

今回も運用が完璧とはいかず、なんと対局サーバ操作担当者のネット環境が不調になってマッチメークに遅滞をきたしました。皆さんご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。 幸いにも、参加者の皆さんに今まで通り柔軟に対応していただいたおかげで、4回戦までを予定通り消化することができました。ありがとうございました。

来月の第18回世界コンピュータ将棋選手権に先立って行われる当協会主催のオープン戦はこれが最後になります。今後は自己対戦やfloodgateなどを活用し、思考ルーチンの強化やネット対応のテストを行って選手権に備えていただくようお願いいたします。各種のお問い合わせに関しては今後も引き続き当協会にて受付いたします。

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第9回コンピュータ将棋オープン戦 参加者募集のお知らせ

第9回コンピュータ将棋オープン戦が次の日曜日、4月6日にインターネットにて行われます。第18回世界コンピュータ将棋選手権を目前に控えて追い込みの時期の方、ネット対局のチェックが必要な方から、勢いのおもむくまま飛び入り参加の方まで、あらゆる参加者、そして観戦者を歓迎いたします。

参加資格はCSAサーバ プロトコルに対応していることで、人間が手動操作で参加することもできます。その場合、高田淳一さんが公開しているJava Appletなどが利用できます。参加費はもちろん無料。

オープン戦の模様は、ネットライブ中継される予定です。

詳細な手続きや日程などについては、こちらをご覧ください。ネットワークの状態によっては、時間切れ負けが不可避な場合も生じえますが、ご了承ください。また、ネットワークを利用することに起因する各種トラブルも想定されますが、世界コンピュータ将棋選手権でのトラブル対応の事前訓練を兼ねておりますのでご了承ください。

多数のご参加をお待ち申し上げております。

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コンピュータ将棋は先後互角?

以前話題にしたfloodgateに関して、金子さんに、先手勝率と千日手率が調べられないかどうかお尋ねしたところ、さっそくfloodgate統計ページ作っていただきましたfloodgateの過去から最新までのすべての累積データが見られるようになったようで、これはありがたい。将棋はチェスほどではないものの先手がわずかに有利な競技といわれており、現にプロの将棋では先手勝率が約53%程度というのが近年の傾向のようです。これがコンピュータ将棋にもあてはまるかどうか、恐らく初めて信頼できる量の集計が得られるようになりました。

そのデータが早くも6,000局を超え、先手が3,000勝に到達しました。通信トラブルなど終局に至らなかった対局を除くと、戦績は先手の3,000勝2987敗50引分。先手勝ち越し…と思いきやその差はわずか13。ここまでほとんど先後互角、という結果になっています。

よく知られているように、終局に近づけば近づくほど強くなるのが現在のコンピュータ将棋の棋風です。裏を返せば、コンピュータ将棋の序盤はまだまだ物足りないのです。先手の得を最大限に生かすには、高度な序盤の構想力や定跡の深い知識が必要ですが、現在のコンピュータ将棋がそれを備えているとは考えがたいところです。その意味では、先手の得がないかのように見えるこの統計結果は、ある意味で予想通りといえます。

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