Archive for 将棋

第27回世界コンピュータ将棋選手権 参加者募集中

2017年5月に開催される第27回世界コンピュータ将棋選手権の参加者募集が開始されています。申込受付は来月1月末までです。

時間ルールが初期10分、1手ごとに加算10秒の「フィッシャークロック・ルール」である点、会場が川崎市産業振興会館である点は前回と同じです。

前回から変わった点のうち主なものを簡単に列挙しておきます。

  • 「主要な開発者」以外の関与についての制約を緩和しました。
  • 256手目で詰ませたとき等は、詰ませた方の勝ちであることを明記しました(なお、前回も256手目で詰ませた場合は後手の勝ちとして処理しております)。
  • ライブラリ規程が変更され、バージョンアップ等に対応しました。
  • 開催日時は5月3日(水、祝)〜5日(金、祝)です(曜日を除いて前回と同じ日付です)。

多数の参加者・観戦者をお待ちしております。

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第2期叡王に佐藤天彦九段、Ponanzaとの電王戦二番勝負へ

本日12月11日(日)に行われた第2期叡王戦決勝三番勝負の第2局にて、佐藤天彦九段第1局に続いて千田翔太五段に勝利、三番勝負の通算成績を2連勝として第3局を待たずに優勝を決め、第2期叡王の称号を獲得しました。2017年春の開催が予定されている第2期電王戦にて、佐藤叡王第4回将棋電王トーナメントで優勝したPonanzaと二番勝負を争うことになります。

今年で2年目のプロ棋戦である叡王戦は、昨年不参加だった羽生善治九段が参戦したことで昨年以上の話題となっていました。その羽生九段準決勝で破った佐藤九段が決勝も2連勝し、無敗での優勝となりました。叡王戦での肩書は九段となっていますが、貴族の異名で知られる佐藤九段は今春の第74期名人戦で羽生名人を破って名人位に就いており、2007年の渡辺明竜王Bonanzaの対戦以来、実に10年ぶりにプロのタイトルホルダーとコンピュータ将棋との公式の対戦が実現することになりました。

今回の第2期叡王戦の決勝三番勝負は、第1期とは異なり大きな逆転劇はなく、二局とも佐藤九段が優勢を徐々に拡大し勝利する展開でした。今期絶好調、当代最強の名人と、当代最強のコンピュータ将棋の対戦は、来春に予定されています。

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コンピュータで不正行為? コンピュータ将棋を使って将棋の対局に勝てるか

3日前の10月12日(水)、公益社団法人 日本将棋連盟(以下、将棋連盟)が、第29期竜王戦七番勝負の挑戦者が変更されたことを発表し、数多くの将棋ファンを驚かせました。ニュースは一般のマスコミにも取り上げられて広く知られることとなり、「コンピュータの助けを借りてプロ棋士が対局に勝つことができるのか?」という解説も各方面で行われたようです。当協会の関係者や学識経験者も取材を受けています。大変なことではありますが、コンピュータ将棋の技術について周知されるに適した機会ですので、当ブログで簡単な解説を試みます。

不正行為は可能?

20年以上前からサービスが行われているネットの将棋サイトの多くで「将棋コンピュータソフト使用禁止」とされていることをご存じの将棋ファンの皆さんにとっては、将棋ソフトの有効性は明らかでしょう。プロレベルでも通用するのか、という点が議論の焦点ですが、今年行われた第1期電王戦でも、その前の過去4回の電王戦でもコンピュータが好成績を収めていることから、コンピュータソフトに実戦の局面を入力してコンピュータの示した手をそのまま実際の対局でも採用する、ということを実行できれば、プロでもほとんどの対局で勝てるでしょう。

プロ棋士の対局でコンピュータソフトの助けを得る方法については、対局中に席を外してスマートフォンを使う、という説が各方面で示されています。強いコンピュータ将棋ソフトの多くはパソコン用に開発されたものですが、その一部はスマートフォン用に移植されているようで、スマフォアプリの実力はノートパソコンと同等以上、と言われているそうです。携帯電話の計算力はパソコンに引けをとる、と考えられることが多いのですが、最近のスマートフォンはメモリ容量も大きく、CPUの動作クロックも速いので、制約はパソコンよりは大きいものの、将棋が目に見えて弱くならざるを得ないほどのハンディキャップがあるとはいえません。 Read the rest of this entry »

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ゲームプログラミングワークショップ2016、今年は2年ぶりに箱根で

今年もゲームプログラミングワークショップの参加募集が始まっています。11月4日(金)、5日(土)、6日(日)の3日間に箱根セミナーハウスで行われる今年のゲームプログラミングワークショップ2016 (GPW-16) のプログラムによれば、将棋や囲碁に加え、6目並べや、カードゲームや麻雀などの不完全情報/多人数ゲーム、サッカーやカーリングのシミュレーション、シューティングゲームやポケモンなど、多彩なゲームが研究対象となっています。技術分野も、今や一般にも言葉が普及したディープニューラルネット(ディープラーニング)をはじめ多岐にわたっています。

恒例の2題の招待講演はそれぞれ、5年前にクイズ番組で人類に勝利したIBM社のWatsonと、今年いきなり人類を超越し世界を驚かせた囲碁AIがテーマです。

また、10年以上にわたって行われてきた、GPW杯の名を冠した多数のコンピュータ大会が、今年もナイトイベントにて開催されますので、プレイヤーの皆さんは上記リンク先をお読みの上、是非ご参加ください。なお、元祖GPW杯であるコンピュータ将棋大会については、今年の開催を見送りとさせていただく予定です。非公式のサーバ対局については受け付ける予定(フィッシャークロックルール)ですので、機運が高まれば大会という形に発展する可能性はありますが、今のところは他競技に場を譲る予定です。ご了承ください。

表題の通り、今年は2年ぶりに箱根で開催されますので、お間違えなきようご注意ください。また今年は昨年よりも早めの開催ですので、参加申込締切も10月24日(月)と少し早めですのでご注意ください。

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第4回将棋電王トーナメントはPonanzaが2連覇、電王戦に進出

東京・六本木のニコファーレで行われていた、第4回将棋電王トーナメントは本日、5位決定戦/準決勝/決勝等が行われ、決勝でPonanzaが3勝0敗で浮かむ瀬を降し、2年連続3度目の優勝を果たしました。Ponanzaチームの皆さん、おめでとうございます。

Ponanzaは、優勝賞金の300万円とともに、来春の開催が予定されている第2期電王戦二番勝負の出場権を得ました。現在本戦トーナメントが開催されているプロ棋士の棋戦、第2期叡王戦の優勝者との二番勝負に進出します。

ソースコードの公開・交流が進み、近年すっかりオープン・イノベーションの成功例として知られるようになったコンピュータ将棋は、ますます進化を加速させているとプロ筋でも高く評価されています。今年の第1期電王戦二番勝負に続いてコンピュータ将棋の勝利となるか、あるいは人類が巻き返すか。なお、来春の第2期電王戦は今年とは異なり1日制の対局二局が予定されています。

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