Archive for 将棋

第21回世界コンピュータ将棋選手権はニコニコ生放送で

第21回世界コンピュータ将棋選手権が、いよいよ16日後に迫ってまいりました。今回は5月3日~5日の通常の5月3連休に行われます。今年は、5月5日の決勝リーグの模様が、ニコニコ生放送にて映像生中継されます。

東日本大震災によって数多くのイベントが中止に追い込まれましたが、第21回世界コンピュータ将棋選手権については障害を排して予定通りのスケジュールで行われます。今年は初のニコニコ生放送。映像の生中継自体はすでに過去の選手権でも行われていますが、今回はニコニコ動画の特長である多くのコメントが生放送画面に流れることが期待されます。

観戦のご案内はこちらです。棋譜のライブ中継なども、これまでの選手権と同様に行われます。

今回の会場は、一昨年の第19回選手権の会場と同じ、早稲田大学国際会議場です。


より大きな地図で 早稲田大学 国際会議場 を表示

5月5日の決勝リーグは、これまた例年通り、現地にて大盤解説会が開かれます。一昨年の同会場では現地観戦にかなりの制限が加わってしまいましたが、今回は井深大記念ホールを解説会場とし、多くの一般参加が可能になったため、事前申し込みも一切不要でご来場いただけることになりました。

先日行われたコンピュータ将棋オープン戦、また最近のfloodgateでも、コンピュータ将棋が引き続きその強さを増していることが示されています。世界コンピュータ将棋選手権、今年も必見です。

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第16回コンピュータ将棋オープン戦は大将軍が優勝

4月9日(土)に行われた、第16回コンピュータ将棋オープン戦は、初参加の大将軍(たいしょうぐん)が4戦全勝で優勝しました。おめでとうございます。

コンピュータ将棋オープン戦は当ブログからも開催の前週にお知らせするのが恒例でしたが、今回は東日本大地震後から3月28日まで行われた関東地方での計画停電実施の可能性が残っていたことを考慮し、事前の告知を第21回世界コンピュータ将棋選手権参加予定者のみ対象に行いました。ご了承ください。それでも今回、アマチュア強豪の今泉健司さんが昨年の第14回オープン戦以来の2度目の参加、および多くのコンピュータ将棋の参加があり、前回よりもさらにレベルの高い戦いが繰り広げられました。

棋譜はライブ中継サイトで、結果の星取はこちらでご覧いただけます。Twitterでは、#csaliveというハッシュタグからコンピュータ将棋オープン戦ライブ中継関連のツイートを見ることができます。

優勝した大将軍は、来月行われる第21回世界コンピュータ将棋選手権への初参加が予定されています。世界コンピュータ将棋選手権未参加者の優勝はコンピュータ将棋オープン戦では初めて。第21回世界コンピュータ将棋選手権参加者リストアピール文書以外の情報がほとんどありませんが、驚くべき強さで強豪相手に4連勝しました。目玉がまた増えた第21回世界コンピュータ将棋選手権、必見です。

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「情報処理」特集 あから2010勝利への道


発売前にお伝えしたとおり、「情報処理」最新号のVol.52 No.2 に、特集「あから2010勝利への道」が掲載されています。コンピュータ将棋がついに学会誌の39ページの筆頭特集になりました。情報処理学会創立50周年記念事業の最大の研究成果ですから、当然かもしれませんが。

内容については、前回当ブログにてお伝えしたとおりですが、当ブログの当初の予想以上に専門分野に特化した内容、つまり勝負の内容が詳しく解説されています。ゲームプログラミングや、あから2010のような大規模並列分散処理システム制御の専門的な研究が掲載されている一方、将棋ファンが読んでも楽しめる内容で、学会誌としては異例にエンタテインメント性の高い特集になっています。大胆な作戦と周到な準備、対局直前に判明した衝撃の事実、運命を分けた勝負の綾など、一人でも多くの方に読んでいただきたい内容です。対戦した清水市代女流六段日本将棋連盟理事の中川大輔八段のスピーチ(このときの模様です)、大盤解説を務めた佐藤康光九段の観戦記と、コンピュータを抜きにしても豪華な顔ぶれです。

前回お伝えしたとおり、「情報処理」amazon.co.jpをはじめ複数の一般書籍販売サイトで容易に購入できます。購入先の情報については、情報処理学会プレスリリースをご覧ください。

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「情報処理」にて「あから2010」徹底解説

情報処理 2011年02月号


「情報処理」といえば、世界コンピュータ将棋選手権の特集が掲載されている情報処理学会の学会誌として、当ブログでも毎年紹介していますが、今回は情報処理学会創立50周年記念事業「清水市代女流王将vs.あから2010」が行われた後ということで、この1戦の成果の解説が最新号に掲載されますあから2010開発者側からは無論のこと、挑戦を受けて立った日本将棋連盟からも多数の解説陣が執筆しており、これは将棋、コンピュータの両関係者にとって必読の内容が期待できそうです。

「情報処理」は今まで会員向けの非売書籍に近い扱いだったため、当ブログでも紹介に苦労していたのですが、今年からはamazon.co.jpをはじめ複数の一般書籍販売サイトで容易に購入できるようになったようです。購入先の情報については、情報処理学会プレスリリースをご覧ください。

2月号は2月15日発売ということで、前回記事と異なり当ブログ主もまだ読んでおりませんので、現時点では書評を書くことはできませんが、学術的発表としても戦史としても意義深いものとなると思われます。書籍販売サイトにてすでに予約受付も行われておりますので、情報処理学会の会員でない方は是非お申し込みを。

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「コンピュータは七冠の夢を見るか?」理論編

将棋世界 2011年 03月号 [雑誌]


月刊将棋世界3月号の連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?」第14回は、ひと言でいえば「理論編」と呼ぶべき内容。形勢判断・読み・構想力という、将棋を指すうえでの三大要素と呼ぶべきテーマについて、人間とコンピュータの方法論の違い、長所と短所について議論しています。コンピュータ側の用語を借りれば「ソフトウェアアーキテクチャ」あるいは「モデリング」の問題、といえそうです。

このように紹介すると何やら哲学的な内容に見えてしまいますが、その点はこの連載らしく、いつも通り図面や手順を使った具体的な思考や分析によるわかりやすい裏づけがなされています。現在のコンピュータは、ひたすらブレのない形勢判断と膨大な読みによって、指し手の精度を高める手法を採っていますが、それは読みの深さの制約にもなります。対する人間は、現れた局面に対して都度「モデリング」を行い、勝つための読みの効率を高める手立てを多数身につけており、考え方は多次元的になります。コンピュータはそれらの技術を習得すべきか、いかにすれば習得できるか…について今、答えを出すことは困難ですが、将来、コンピュータがより強くなるためのヒントを与えてくれるかもしれません。

最後は、やはり今後の人間とコンピュータとの対戦について示唆する内容になっていますが、その中で『1回の勝負では「どちらが上か」はわからない』という片上大輔六段の言葉があります。強くなるためにいかにあるべきか、目先の1つ2つの勝敗によっては必ずしも明らかにならない、ということは、この記事で紹介されているさまざまな考え方が暗示している、といえるのではないでしょうか。

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