月刊将棋世界誌にて、今月3日発売の2010年1月号から、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」という連載記事が始まりました。プロ棋士の片上大輔六段、ponanza開発者の山本一成さん、GPS将棋開発者の金子知適さん、松本哲平さんの東大カルテットによる、164ページからの6ページの記事です。
連載第1回の内容は、第19回コンピュータ将棋選手権で優勝したGPS将棋の紹介、GPS将棋が第19回コンピュータ将棋選手権の対激指戦で見せた指し手の分析、GPS将棋によるプロのタイトル戦’(佐藤八段vs羽生王位)の実戦譜を検討させた結果の分析と、詳細な内容を凝縮しています。
連載第1回ということもあり、「今のコンピュータ将棋はこんなに強い」というところを紹介することが主眼のひとつになっているようです。将棋の専門誌らしく指し手の解説のレベルが高く、コンピュータ将棋開発者が読むには難しい内容かもしれませんが、プロ棋士とコンピュータ将棋開発者の両者が執筆しているだけあって、この手の記事にありがちな技術的に的外れなところがありません。将棋ファンにも、コンピュータ将棋開発者にも、プロとコンピュータの特徴と差異がよくわかるという点で、一読をお勧めしたい内容になっています。
漏れ伝わるところによれば、今後もさまざまな角度からコンピュータ将棋が紹介される予定のようです。解説の主眼も、指し手から実装技術に向けて徐々に変化してくるものと思われますので、コンピュータ将棋開発者に親しみやすい記事も読めることでしょう。楽しみです。