Archive for 将棋

第20回選手権用ライブラリ募集中

当協会サイトにて現在、世界コンピュータ将棋選手権使用可能ライブラリを募集しております。今回募集しているのは、来年5月2日~4日に開催予定の第20回世界コンピュータ将棋選手権を対象とするライブラリで、募集期間は2009年12月31日までです。


今年大きな話題となった
ライブラリルールですが、さまざまな議論があるものの現状では賛成意見多数ということで、次回選手権でも採用されます。ただし、やや複雑なものを含めていくつかルール変更が盛り込まれておりますので、使用可能ライブラリに応募予定の方、および使用予定の方はご一読ください。

皆さんのご応募をお待ちしております。

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「コンピュータは七冠の夢を見るか?」将棋世界で連載開始


月刊将棋世界誌にて、今月3日発売の2010年1月号から、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」という連載記事が始まりました。プロ棋士の片上大輔六段ponanza開発者の山本一成さんGPS将棋開発者の金子知適さん、松本哲平さんの東大カルテットによる、164ページからの6ページの記事です。

連載第1回の内容は、第19回コンピュータ将棋選手権で優勝したGPS将棋の紹介、GPS将棋第19回コンピュータ将棋選手権の対激指戦で見せた指し手の分析、GPS将棋によるプロのタイトル戦’(佐藤八段vs羽生王位)の実戦譜を検討させた結果の分析と、詳細な内容を凝縮しています。

連載第1回ということもあり、「今のコンピュータ将棋はこんなに強い」というところを紹介することが主眼のひとつになっているようです。将棋の専門誌らしく指し手の解説のレベルが高く、コンピュータ将棋開発者が読むには難しい内容かもしれませんが、プロ棋士とコンピュータ将棋開発者の両者が執筆しているだけあって、この手の記事にありがちな技術的に的外れなところがありません。将棋ファンにも、コンピュータ将棋開発者にも、プロとコンピュータの特徴と差異がよくわかるという点で、一読をお勧めしたい内容になっています。

漏れ伝わるところによれば、今後もさまざまな角度からコンピュータ将棋が紹介される予定のようです。解説の主眼も、指し手から実装技術に向けて徐々に変化してくるものと思われますので、コンピュータ将棋開発者に親しみやすい記事も読めることでしょう。楽しみです。

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GPW杯コンピュータ将棋はBonanza楽観合議が制す

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ご報告がかなり遅れてしまいましたが、11月13日(金)~15(日)にゲームプログラミングワークショップ(GPW)2009が開催されました。今年のGPW杯のコンピュータ将棋部門は、リーグ表のとおりBonanza楽観(的)合議が9戦全勝で優勝しました。おめでとうございます。その他、GPW杯5五将棋部門の結果も発表されています。

Bonanza楽観(的)合議のリンクは便宜上、文殊と同じになっていますが、楽観的合議については新着情報としてこちらのPDFファイルで技術的な内容を見ることができます。前回の記事では触れませんでしたが、エキシビション対局に登場した文殊も実は楽観的アルゴリズムを搭載した同じものでした。単純に評価値の良いものを信じるなんて単なる勝手読みでは…と思ってしまいますが、これによって6割勝てるようになった、という実力を対コンピュータでも、そして2チームの参加があった人間相手でも証明しました。

7勝2敗の2位グループには、GPS将棋大槻将棋に加え、篠田正人さんが入り、「コンピュータに将棋の厳しさを示した」として表彰されました。篠田さんは奈良女子大理学部准教授にしてアマチュア将棋の全国大会で複数回の優勝をおさめているアマ強豪ですが、25分切れ負けという人間にとって過酷な条件、しかもかなりの夜更かし状態(これは運営の不手際が主な原因です。申し訳ありません)でこの成績は驚異的。特に、エキシビション対局にて稲葉聡さんに勝利したGPS将棋に勝った将棋は圧巻で、近日中に公開予定の棋譜を是非ご覧ください。

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人間vsコンピュータ将棋、今年のエキシビションは1勝1敗

前回の記事にてうっかりお知らせし忘れてしまいましたが、エンターテイメントと認知科学研究ステーション特別企画「将棋研究の最前線」にて行われた2局のエキシビション対局がネット中継されていました。結果はリンクで示されているように、昨年のエキシビションと同じく1勝1敗でした。

第1局、一手損角換わりとなった谷崎生磨さんvs文殊は、文殊が難解な終盤戦をきわどく制した…と思われたところでトラブルに見舞われて敗れました。第2局、稲葉聡さんvsGPS将棋は、四間飛車に振ったGPS将棋がうまく捌いて優位に立った後、一気に稲葉さんの居飛車穴熊を攻略してみごと勝利。2局とも、解説の勝又清和六段からもほとんど非の打ちどころのないハイレベルな内容で、コンピュータ将棋の実力はますますエキサイティングなものになっているようです。

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E&C研究ステーション特別企画「将棋研究の最前線」

エンターテイメントと認知科学研究ステーション特別企画「将棋研究の最前線」が、11月7日(土)に電気通信大学にて行われます。午前と午後の部に分かれ、午前は脳科学による将棋の思考の研究に関する講演2題、午後は人間のエキスパートとコンピュータ将棋のエキシビション対局2局です。

午前の招待講演会理化学研究所の2名の研究員によるもの。富士通および日本将棋連盟との脳科学研究の成果を聴くことができそうです。

一方、2局のエキシビション対局の第1局は、今年3月に行われた、エンターテイメントと認知科学研究ステーション第3回シンポジウム(当ブログではこちらで紹介)にて4つのコンピュータ将棋の合議システムに勝利した谷崎生磨さんに、Bonanzaベースの合議システムで今年の世界コンピュータ将棋選手権で3位に入賞した文殊が挑みます。続く第2局は、同じく今年3月に行われた情報処理学会 第71回全国大会にて昨年の世界コンピュータ将棋選手権優勝者の激指対局し、勝利を収めた稲葉聡さんに、今年の世界コンピュータ将棋選手権優勝者のGPS将棋が挑みます。

2つの対局はコンピュータ側が代わってはいるものの、春の雪辱を目指す再戦であり、また事実上、第19回世界コンピュータ将棋選手権の上位者のエキシビション対局ということになります。

イベントはいずれも入場無料で事前申し込み不要。会場は当協会の例会でもおなじみの電気通信大学西9号館3階AVホールです。地図は今年7月の例会のお知らせのGoogleマップをご利用ください。

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