月刊将棋世界2014年7月号にて、第24回世界コンピュータ将棋選手権の特集記事と、第3回電王戦の振り返り記事が、それぞれ10ページずつ掲載されています。前者は鈴木健二さん、後者は北野新太さんの執筆。
第24回世界コンピュータ将棋選手権特集記事『新星「Apery」大逆転で初優勝!!』は、全3日間の模様を余すところなく伝えていますが、今回は決勝リーグで2ゲーム差が覆る大きな逆転があったためか、最終日、特に後半戦の優勝決定までの模様に多くの誌面が割かれています。局面つき解説は決勝リーグから10局。現地大盤解説会での勝又六段や遠山五段ほかの解説の模様、開発者へのインタビューに基づく技術解説も交えて熱戦の模様を伝えています。
特別寄稿『敗れてもなお』は、第3回電王戦に出場した5人の棋士全員へのインタビュー内容をもとに、対局前の心境と、棋士チームの1勝4敗という結果を受けての総括がプロ棋士の立場からつづられています。「事前貸し出しルールを活かしてもっと端的にコンピュータ将棋の弱点を突く戦略を採るべきだったのでは?」という疑問に対する答え、前回との微妙な雰囲気の違いは、コンピュータ将棋が前回からさらに進化したこと、そして今後の将棋電王戦がどうなっていくのか、など、コンピュータ将棋関係者にとっても関心を寄せずにはいられない論点を思わせられます。
このほか、飯島七段の連載講座では、第3回電王戦にて豊島七段に対してYSSが指した△6二玉について詳しく解説され、『ぼくはこうして強くなった』では森下九段が第3回電王戦への出場について直接語っています。『ニコニコ超会議3「全員主役。」』では、コンピュータ将棋や電王手くんが登場した企画について書かれ…という具合に、将棋の話題として完全にコンピュータ将棋が定着しています。
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