第2回UEC杯5五将棋大会COM部門はK55が優勝

前々回にお知らせした第2回UEC杯5五将棋大会が12月7日に行われ、COM部門は柿木将棋の開発者、柿木義一さん開発のK55が全勝優勝しました。詳しい内容はこちらのリンクをご覧ください。COM部門の直前に行われたKIDS部門の結果はこちらに。このうち上位がCOM部門に出場しています。レポートがすっかり遅れてしまい、55misakiの小宮日記さんに先を越されてしまいました(コメントもいっぱい)。

(追記)KIDS井原健夫のIHARA Noteさんにも先を越されていました。COM部門には来られなかったとのことで残念。KIDSで探索ソフトに3勝4敗とは強い。

K55は昨年の第1回大会で、優勝目前でバグが現れて涙をのみましたが、バグさえなければ無敵に近い強さであることを改めて示しました。

また、この大会の特徴として、プレゼンテーション部門というものがあります。これは、5五将棋の局面やコンピュータの思考の内容をいかに目に見える形で表現するか、を競うものです。これは、3チームの出品作品の中から各部門の参加者による投票が行われた結果、Tohskeの草野一彦さんが受賞しました。結果のページにて画面写真が見られますが、これだけだとどのような画面表示だったかがほとんどわからないのが残念。内容は、コンピュータの探索中の木構造が次々に現れ、常時最善手が上段に現れるようになめらかな枝の並べ替えが絶えず行われる、というもの。木のノードに局面が表示されるところは、5五将棋の盤の小ささをうまく利用しているといえるでしょう。

コンピュータによる将棋の表現は、当ブログもこだわりたいが果たせない重要なテーマで、少しでもうまく伝えようとすることには見た目以上の意義があります。TVのスポーツ中継に組み込まれる各種の情報は、それが効果的であれば、ゲームに現れる戦術を明らかにしたり、注目すべきポイントを見逃さなくて済むような目印となったりして、競技をよりいっそう面白くエキサイティングなものにします。これはコンピュータ将棋でも同じ。さらに、戦術的な情報が明確になれば、開発者にとってもテストやデバッグの、そしてより強いコンピュータ将棋を開発するための大きな助けになるはずです。

さて現在、5五将棋大会と同じ会場にて、同じくUEC杯の名を冠したコンピュータ囲碁大会が行われています。こちらは2日間の日程で、解説とエキシビジョンマッチも行われるとのことで、2日目は当ブログ主も観戦する予定です。

2 Comments »

  1. 小宮 said

    あーK55に勝ったこと書いてないじゃないですか?(^^;
    棋譜解説を期待してたんですが……(^^;

  2. >小宮さん

    ここはコンピュータ将棋のブログでして人の指した将棋は対象外です(笑)。
    それにあれは私の反則負けですから(笑)。

    棋譜を自分で起こすのはちょっと億劫なので、エキシビションの棋譜がUECサイトで公開されるまで様子見、という気分なのですが、仮に公開されても自戦解説を加えるのはちょっと勇気が要りますね。5五将棋はそれまで作戦や次の一手を考えたことはあるのですが、真剣勝負の経験は本当にあの日一日だけなので、経験豊富な伊藤先生に解説して欲しいです。あるいは柿木さんの解説か、上位ソフトの解析をよろしく。

    今回の結果は運がよかったです。私がコンピュータとたくさん指したら、やっぱり大きく負け越すと思います。

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