12月13日(日)に行われた第1期叡王戦三番勝負の第2局にて、山崎隆之八段が第1局に続いて逆転勝ちを収め、三番勝負の通算成績を2連勝として第3局を待たずに優勝を決め、初代叡王の称号を獲得しました。2016年春の開催がアナウンスされている第1期電王戦にて、山崎叡王は第3回将棋電王トーナメントで優勝したPonanzaと二日制の対局を2局行うことになります。
叡王戦は、新しく生まれ変わった電王戦に合わせて今年発足したプロ棋士の棋戦です。プロ将棋の棋戦としては異例のエントリー制が採用されたため、羽生四冠や渡辺竜王などごく一部の棋士は参加を見送ったものの、現役プロ棋士の大半が参戦しました。いわゆる七大タイトルの保持者の一部も参戦したため、2007年以来の渡辺竜王以来の七大タイトルの保持者とコンピュータ将棋の対局が実現するか、という話題も提供されましたが、もうひとりの決勝進出者である郷田真隆九段(王将)が敗れ、第1期電王戦ではそれは実現しないことになりました。とはいえ、8連勝で初代叡王の座に就いた山崎八段がトップ棋士のひとりであることは疑いのないところです。
なお、今回の決勝三番勝負の2局とも、ニコニコ生放送中のコンピュータ将棋による評価値表示が終盤に大きく揺れ動いたことが話題になりました。3000を超えた数値が数手でマイナスになるなど派手な動きがあったため、大逆転、という生放送の雰囲気となりましたが、将棋は逆転の多いゲームであり、プロの公式戦としてとんでもない逆転劇であった、とまでは言えない水準のように思われます。とはいえ、難解な終盤戦で残り時間が切迫した状況では、コンピュータ将棋の判断の方が正確だ、ということは示されたのではないでしょうか。
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