月刊将棋世界7月号にて、第21回世界コンピュータ将棋選手権の紹介記事が掲載されています。連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?」は好評のうちに連載を終了しましたが、記事は昨年の第20回世界コンピュータ将棋選手権と同じ松本哲平さんによる10ページの濃密な内容です。
現在の世界コンピュータ将棋選手権は、開発者が集う対局場、プロ棋士による解説会場、インターネットでの棋譜中継やブログ、Ustreamによる対局場の映像配信と実に多面的になっており、記事中にも所狭しと各現場のエピソードが詰め込まれています。そして今年はさらにニコニコ生放送による映像中継が行われました。多数の視聴者コメントで盛り上がったニコ生も外せないということで、スタジオ解説を担当した西尾明六段のコミカルなエピソードも紹介されています。そしてもちろん、レベルが向上し続ける対局の内容も紹介しなければならない、ということで、とにかく高密度な記事になっています。近年普及したクラウドコンピューティングの技術についても書かれています。
コンピュータ将棋に詳しくない方々にはむろんのこと、開発者の皆さんや、大盤解説会に足を運ばれた熱心な将棋ファンの皆さんにも、立ち会えなかった現場を知るためにも一読をお奨めします。棋譜中継やブログ、ニコ生のタイムシフト録画を見ながら記事を通じて往時の激闘を反芻する、というのも楽しみ方のひとつではないでしょうか。