今月初めに発売された、月刊将棋世界(こちらは電子版)6月号の「第2回電王戦全局レポート」にて、第2回電王戦の全5局の解説が掲載されています。例年、世界コンピュータ将棋選手権を将棋世界にて取り上げていただいていますが、今回はプロ棋士の対局ということもあってか、1局あたり2ページが費やされ、より詳細に対局の内容が掘り下げられているといえます。
各対局の詳細を見ていくと、第一局は相手の無理攻めを誘う阿部四段の作戦が成功し終始リードを保ち快勝、第二局は細かく形勢が揺れるもponanzaが終盤の競り合いを制し勝利。第三局は大きく形勢が揺れる波乱の展開の末ツツカナが逆転勝ち。第四局は大波乱の持将棋引き分け。そして第五局は…と、戦いの機微が密度濃く伝えられています。将棋専門誌ゆえ、勝敗の分かれ目となった指し手が詳しく解説されています。
第3回の開催が期待されているものの未定とされている電王戦。もし第3回が行われれば、その勝負の内容は今回の戦いに強く影響されたものになるでしょう。5局すべてに相異なるドラマがあった第2回電王戦を踏まえ、プロ棋士のコンピュータ対策はどのように進化するか、今回3勝1敗1分で勝ち越したコンピュータ将棋チームはコンピュータ対策をどう迎え撃つか…を想像するのには読んでおきたい特集といえます。「コンピュータ将棋がプロ棋士に勝った」と大きく報じられてすでに社会の想像力を刺激している第2回電王戦、本稿を読んだ将棋世界の読者は、すでにさまざまな想像を巡らせていることでしょう。
コンピュータ将棋協会blog said
将棋世界「電王戦」「世界コンピュータ将棋選手権」「森田さん」
月刊将棋世界2013年7月号にて、コンピュータ将棋に関する3つの特集記事が実に計29ページにわたって掲載されています。このほかの記事中でもコンピュータ将棋の話題が多く取り上げられ…