松本博文さんのグループにお願いしているコンピュータ将棋選手権ネット中継は、今回ついにライブカメラまでも登場し、多くの瞬間を映し出しました。生の映像を配信するのに、もはやTVの番組枠に選ばれる必要のない時代になったのです。
もちろん、ただ時代を待っていただけではありません。コンピュータ将棋選手権ネット中継は、確かな技術力と周到な準備、そして熱い情熱がなければ、これほどすばらしい番組にはならなかったでしょう。2008年5月10日現在、例会案内の地図でお世話になっているグーグルで「ネット中継」をキーワードに検索すると、なんと6位にランクされています(日本最大のシェアを誇る検索エンジンのヤフーでは19位)。グーグルの上位のうち、ブログ形式のサイトはコンピュータ将棋選手権ネット中継だけなので、「ネット中継ブログ」で検索するとトップに躍進します。キーワードに「将棋」も「コンピュータ」も含めないでこの順位。世界コンピュータ将棋選手権は、今や日本を代表するネット中継コンテンツになったのであります。
少し冷静になって分析してみると、やはり将棋とネットの相性の良さは大きな要素でしょう。好手を指して局面を動かしてみせればそれだけで観衆をうならせることができるのですから、これをネットで全世界に伝えない手はありません。ですから多くのプロ棋戦もずいぶん前からネットで生中継されるようになっています。しかし、そんな多くの将棋関連サイトの中でコンピュータ将棋選手権ネット中継は堂々の検索順トップです(キーワードをたとえば「中継」にすると、マイナビ女子オープン 中継が将棋サイトのトップになります。キーワードが少し変わると順位も様変わりします)。急速に、そして着実に進歩するコンピュータ将棋は、ライブの驚きと感動も大きい、ということなのではないかと思います。もちろん終わったばかりの今だからこそこの順位ではあるのでしょうし、時が経てばプロのタイトル戦に譲らざるを得ないでしょうが…今後どのくらい粘れるか、ちょっと楽しみでもありますね。
ページランクの点では、コンピュータ将棋は広く認めてもらえるまでになりました。課題はなんといってもこれをアクセス数に結びつけることでしょう。 率直に言って世界コンピュータ将棋選手権の台所事情は楽ではありません。協力・協賛・後援の各位にお喜びいただくためにも、より多くの注目を集めるためにアイデアに磨きをかけていかなければ。もちろん、新たなご支援を歓迎いたしますので、ご興味がおありの皆様は当協会または当ブログまでご一報を。
なお、棋譜のネット中継は当協会のスタッフが行っています。第16回選手権から導入しているLAN対局への各参加者の対応がほとんど完璧のため、これまですべての中継が成功しています。世界コンピュータ将棋選手権はここでも、確かな技術力と周到な準備、そして熱い情熱に支えられています。
奈良和文 said
ネット中継、好評だったようですね。今年の大きな成果ですね。
「過去に一度、会場に行ったことがあるから楽しめたんだと思う」という声がありました。
映像と音声、ブログ、対戦成績、棋譜、2ch(笑) をミックスして、
足りない情報は頭で想像しながら見ることができるということでしょうか。
逆に一度も行ったことがない人、どの選手との面識もまったくない人が楽しむのは、
まだ難しいかもしれません。レポーターの方って居たんでしたっけ?来年はレポートですか。。
山田 剛 said
選手権お疲れさまでした。
確かに現場の土地勘のようなものがないとイメージが湧きにくい感じがありますので、ネットでもどかしさを感じた人には是非一度現場を見に来てほしいですね。現場を見るに値するだけの熱気がありますし、これをネットで伝えないのはもったいないですよね。
小宮 said
参加しているとネット中継を見る機会が無いという罠もあるかもしれません(^^;
決勝戦の朝は、ホテルのネットコーナーで山下さんカメラ(?)の映像を見て、
皆で盛り上がってました(笑)
名無し名人 said
十分楽しめましたよ。とくにライブカメラは現地の様子を多少なりとも伝えてくれて、
去年よりも臨場感は評価値+1200くらいでしょうか。
もちろん現地入りすれば更にプラス、でしょうけどね。
山田 剛 said
>小宮さん
>参加しているとネット中継を見る機会が無いという罠もあるかもしれません(^^;
確かにそうでした。局面のネット中継は会場でも活用していますけど。
ただ、会場のエアチェックの担当者もいて、アナウンスはゆっくりとしゃべらないとウェブでわかりにくい、と指示されたりしていました。
山田 剛 said
>名無し名人さん
>去年よりも臨場感は評価値+1200くらいでしょうか。
それは何よりです。
一方で、まだまだ画質がよいとはいいにくい状況ですので、物足りないと思われた方は、ぜひ一度会場へお越しください。
スポーツ観戦と同様、現地でないと味わえない臨場感もあると思います。