情報処理学会誌7月号にコンピュータ将棋選手権報告

情報処理学会会誌2007年7月号に、HIT将棋伊藤助教による、第17回コンピュータ将棋選手権の報告が掲載されています。ボナンザの保木さんと安食女流初段の論文が掲載された昨年8月号ほどの頁数ではありませんが、今やコンピュータ将棋も学会誌の定番テーマになったといえます。学会員でない方でもこちらから無料サンプルがご覧いただけます。

ゲームの研究は、いわゆる役に立つ分野ではないものの、技術の進歩が目に見えてわかるという点で評価してもらえる分野のように思われます。いわゆる役に立つ技術でも、それが社会に与える影響となるとなかなか実感しにくいもの。コンピュータ将棋が人間のエキスパートレベルに到達し今もなお進化し続けている、という人々の評価とインパクトは、コンピュータの技術が着実に社会の変化に寄与できることの動かぬ証拠を示しています。

記事中には選手権以外のイベントも数多く紹介されています。学会の湖東事務局長によるコラムには渡辺竜王vsボナンザの評価が書かれており、ボナンザは渡辺竜王の術中に陥らなかった、という好意的な評価を得ています。ただ、私見では、渡辺竜王の角を換えたくな~る換えたくな~る戦法はかなり成功していたのではないかと推察しています。具体的には、ボナンザの▲6六角に対して、△8六歩▲同歩△8七角と打って馬を作ってじっくり指せば、ボナンザの振飛車穴熊はいわゆる姿焼きだったのではないかと。ともあれ、これからも難解な学術誌で将棋盤が毎年見られることでしょう。

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