Archive for コンピュータ

きょうから第1期電王戦

きょう4月9日(土)とあす10日(日)は、第1期電王戦第1局、▲Ponanza-△山崎隆之叡王が開催されます。新生電王戦の最大の特徴は2日制の対局であること。本日は第1局の1日目となります。

今回は棋士代表とコンピュータ将棋代表が全2局行う形式で、1勝1敗で引き分け、となる可能性もあります。昨年までの雌雄を決するムードは薄れ、実験的な雰囲気が濃くなっていますが、対局の模様はニコニコ生放送にてこれまで以上に多数の豪華な出演者とともに伝えられます。加えて、第3回将棋電王トーナメントの2~5位を占めた4者が評価値を中継するようです。ロボットは新電王手さんにグレードアップしました。恒例の観戦記については、後日サイトで公開されるほか、観戦マンガもサイトと週刊少年ジャンプに掲載されるそうです。

先月の記事で紹介した、囲碁対決のAlphaGo対イ・セドル戦は、コンピュータ囲碁AlphaGoの4勝1敗という衝撃的な結果に終わり、人工知能技術の新時代の到来として広く世界に報じられました。そのひと月後のコンピュータ将棋とプロ棋士の対局ということで、今回はまた新たな形の注目を集めることになるかもしれません。

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【番外編】あすからコンピュータ囲碁がトッププロ棋士に挑戦

コンピュータ将棋の話題をお伝えしている当ブログですが、今回は番外編として、コンピュータ囲碁を取り上げます。3月9日から5日間、コンピュータ囲碁とトッププロ棋士との五番勝負が行われ、YouTubeにてライブ中継されます。これを受け、従来のコンピュータチェスやコンピュータ将棋と同様、コンピュータ囲碁についても、来たるべき時が来た、もしくは、Xデーが近づいている、という話題が急速に盛り上がっており、コンピュータ将棋のコミュニティーでも無関心ではいられなくなっているのが、今回の記事の理由です。とはいえ当ブログの主旨はあくまでコンピュータ将棋ですので、主にコンピュータ将棋との比較を用いて、コンピュータ囲碁の最先端を紹介したいと思います。なお、リンク集としても使えるようにできるだけ各所へのリンクを含めますが、下記内容は一部、筆者の主観も含みます。

トッププロ棋士との対局

今年1月、米国グーグルから、コンピュータ囲碁システムAlphaGoが囲碁の欧州王者の樊麾 (Fan Hui) 氏を5勝0敗で破ったこと、および、世界的なトッププロ棋士の李世乭イ・セドル)九段と3月に対局を予定していることが発表されましたAlphaGoの情報については、発表内容を参照、もしくは関連情報を検索してご覧ください。

コンピュータ将棋とトッププロ棋士との対戦は、9年前の2007年、渡辺明竜王Bonanzaとの一戦が最初です。 Read the rest of this entry »

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新生第1期電王戦二番勝負、2日制で4月と5月に

すでに2週間以上経過してしまいましたが、第1期電王戦の詳細な対局ルール発表されました第1期叡王戦に優勝した山崎隆之叡王と、第3回将棋電王トーナメントに優勝したPonanzaが、関山 中尊寺比叡山 延暦寺で、それぞれ2日制の対局を行います。

昨年の “FINAL” からの衣替えとなる第1期電王戦は、二番勝負ということで、1勝1敗の決着となる可能性も増しました。人間とコンピュータが雌雄を決する、といった対決色は薄められているといえます。従来にない特徴としては、2日制の対局が行われる点。対局ルールによれば、プロのタイトル戦と同様に封じ手を用いて初日の対局中断と2日目の対局再開が行われますが、手を封じるのは棋士側と決まっており、また中断から再開までの間はコンピュータの思考は停止されます(昼食休憩中・夕食休憩中は思考可能)。中断中に自由に指し手を読めないようなルール、ということのようです。

最新技術がお目見えする棋戦としてもおなじみになった電王戦、今回は振り駒を人型ロボットPepper発表会中に行いました。また、電王Ponanza側の指し手は昨年に続き電王手さんが行うようです。

第1期電王戦二番勝負のニコニコ生放送番組や、第1期電王戦記者発表会振り駒についての動画など関連動画の多くは、叡王戦・電王戦チャンネルからたどることができます。第1期電王戦直前イベント「電王PONANZAに勝てたら賞金300万円!!」の生放送番組もこの中にあります(挑戦者のネット募集は終了しています)。動画および生放送の視聴には、FacebookないしTwitterのアカウントが必要です。また、予約されていない過去の生放送の番組でも、プレミアム会員であれば視聴が可能です。

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第26回世界コンピュータ将棋選手権 参加者募集中

2016年5月に開催される第26回世界コンピュータ将棋選手権の参加者募集が開始されました。申込受付は来月1月末までです。

前回から変わった点のうち主なものを簡単に列挙しておきます。

  • 前回までの秒読みルールから、「フィッシャークロック・ルール」に変更されました。前回は、持時間600秒(=10分)を使い切った後は必ず1手10秒未満で着手しなければなりませんでしたが、今回は「(初手から)手番ごとに残り時間に10秒を加算する」という方式に変わったため、10秒未満で着手すれば残り時間が増加し、その後の指し手に10秒以上を消費する余地が生まれます。したがって1手あたり10秒を使い切らずに指しても無駄にならず、通信遅延に備えた予備時間を柔軟かつ無駄なく確保することもできます。前回に比べて純粋に多くの時間を使うことができます。このルール変更のために、今回使用する対局サーバプロトコルがCSAサーバ プロトコル ver.1.2.1に更新されます。
  • 会場が川崎市産業振興会館に変わりました。川崎駅から徒歩10分弱の場所(こちらにかなり親切な道案内があります)ですので、東京周辺在住者や東海道新幹線利用者にとってはかなり行きやすい場所になりましたが、千葉県からは遠くなりました。
  • 開催日時は5月3日(火、祝)〜5日(木、祝)です(曜日を除いて前回と同じです)。
  • 使用可能ライブラリは2016年1月31日時点で登録されているライブラリです。

多数の参加者・観戦者をお待ちしております。

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第3回将棋電王トーナメントはPonanzaが優勝

11月21日(土)〜23日(月、祝)に開催された第3回将棋電王トーナメントPonanzaが優勝し、賞金300万円を獲得しました。2年ぶり2度目の優勝おめでとうございます。第3代電王となったPonanzaは、郷田真隆王将山崎隆之八段との決勝三番勝負(12/6(日)、13(日)、20(日))を控えた第1期叡王戦の勝者と第1期電王戦二番勝負を戦うことになります。

今回はAperyがオープンソース化された影響が本格的に現れ、いきなり強い初参加チームが多く登場しました。しかし初日の予選リーグで上位だったシード組のうち3チームが2日目の決勝トーナメント準々決勝で敗れるなど一発勝負ならではの波乱の展開となり、ベスト4にはすべて出場2回以上のチームが残りました。そして、3局同時対局という従来にない方式で行われた準決勝と決勝をそれぞれ3勝・2勝1敗で勝ち抜いたPonanzaが優勝、nozomiが準優勝、3位決定戦を2勝1敗で制した大樹の枝(=Apery)が3位、超やねうら王が4位となりました。

準々決勝で敗れた4チームで争われた5位決定戦は、初出場の技巧が制しました。プロ棋士との対局に進出するチームは1チームに減りましたが、5位まで賞金が与えられるのは前回までと同様です。

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