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第24回世界コンピュータ将棋選手権開幕、8チームが二次予選進出

第24回世界コンピュータ将棋選手権はトラブルがやや多かったものの、1日目が無事終了し、8チームが一次予選を通過しました。

初出場のWarsenal Zeroが6勝1敗で1次予選トップ通過。続く2位通過は前回選手権の独創賞を受賞した大合神クジラちゃんが初通過。以降は5勝2敗の4チームと、4勝3敗の5チームのうちソルコフ上位の2チームが難関を抜けました。

対局の内容については、第24回世界コンピュータ将棋選手権 ライブ中継をご覧ください。コンピュータ将棋選手権ネット中継ブログは今年も対局場の映像や熱気を伝えています。Twitterのつぶやきはハッシュタグ “#csalive” にて。

また、今年はあす5月4日・あさって5月5日にニコニコ生放送にて二次予選決勝の動画中継が予定されています。さらにハイレベルの熱戦をお楽しみに。

最後に、一次予選の最終順位順の結果をどうぞ。

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あすから第24回世界コンピュータ将棋選手権

あす5月3日(土、祝)から5日(月、祝)まで3日間、第24回世界コンピュータ将棋選手権かずさアークかずさアカデミアホール)にて開催されます。


より大きな地図で かずさアーク を表示

最終日3日目の決勝リーグ戦では現地大盤解説会が開催されます。棋譜はインターネットライブ中継ブログでも戦いの模様が伝えられます。そして映像はニコニコ生放送にて2日目の2次予選決勝リーグ戦が生中継されます(タイムシフト予約可能)ので、インターネットでも存分に観戦できます。ほか多数の記事やリンクが第24回世界コンピュータ将棋選手権のページにありますのでご覧ください。

現地解説会へはバスまたは自動車でお越しください。東京方面から東京湾アクアラインを通る高速バスアクシー号かずさアーク停留所に直接乗りつけられますのでお勧めです。

第3回電王戦でコンピュータ将棋チームがプロ棋士チームに大きく勝ち越し、その実力がますます注目されるコンピュータ将棋。世界コンピュータ将棋選手権はハードウェアを制限しない、いわば無差別級の選手権です。是非お楽しみを。

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第3回将棋電王戦第5局はPonanza勝ちコンピュータ将棋4勝1敗

第3回将棋電王戦は最終第5局が昨日4月12日(土)に行われ、Ponanzaが130手で屋敷伸之九段に競り勝ち。第3回のシリーズとしてはコンピュータ将棋チームが通算4勝1敗となり、3勝1敗1引分だった昨年の第2回を上回る成績で終えました。

相掛かり模様の立ち上がりから屋敷九段の注文で横歩を取り合う戦型となった本局。中盤戦が始まってからはプロ間でも評価が分かれる優劣不明のねじり合いがしばらく続きました。終盤戦はPonanzaの一見奇妙な攻め方に対して屋敷九段の玉が盤面左側へと逃げ出し、入玉模様、いや相入玉か、という混沌とした場面もありましたが、屋敷九段のミスもあって最後はPonanzaが入玉を阻止して寄せ切りました。

団体戦としてはコンピュータ将棋チームの勝ち越しが第4局終了時点ですでに決まっていましたが、屈指の好カードである本局への注目が衰えた様子はなく、ニコニコ生放送の来場者数は70万人を超え、電王戦のこれまでの最高記録を更新しました。

全5局の内容を振り返ると、大きく勝ち越した理由は、中盤戦から終盤戦にかけてのコンピュータ将棋による指し手の精度の高さでしょう。プロでもミスが避けがたい難解な終盤戦で隙を見せない指し手の正確さは、第3局のように早い段階で優位を確立して終局まで押し切らなければコンピュータ将棋に勝てないのではないか、と思い知らせるような強さがありました。電王戦の次回第4回の開催も期待したいところですが、コンピュータ将棋チームの完勝というべき今回の最終成績からしてマッチメイクは難航するかもしれません。本局後の記者会見でも、残念ながら次回開催は明言されませんでいた。しかし高額賞金が提供される将棋電王トーナメントについては、既発表のとおり昨年に続いて今年も行われることが記者会見で改めて示されました。

さて、来月には第24回世界コンピュータ将棋選手権が待っています。社会的な認知度を高めた今回の盛り上がりが引き継がれることと、さらにレベルの高い熱戦が期待されます。

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第3回将棋電王戦第4局はツツカナ勝ちコンピュータ将棋勝ち越し決定

訂正(4/11): 第5局の先手・後手が逆だったため訂正いたしました。お詫びいたします。

第3回将棋電王戦第4局が昨日4月5日(土)に行われ、ツツカナが135手で森下卓九段に熱戦の末勝ち。シリーズではコンピュータ将棋チームが3勝目をあげたことになり、最終第5局を待たずして勝ち越しを決めました。

本局の戦型は相矢倉。後手の森下九段が中央から攻めて駒得し、中盤で優位に立ったと思われました。しかしツツカナもしぶとく受けて決め手を与えず、手数をかけて自陣の厚みを立て直すコンピュータ将棋らしからぬ戦術を披露。終盤は森下九段の攻めを逆用して反撃する形で優位を奪い返し、最後に鮮やかな即詰めを決めました。

本局、ベテラン棋士の奮闘、という期待感もあってか、ニコニコ生放送の番組の視聴者数が大幅に増えました。森下九段はその期待に応え、序盤の意識的な早指しと仕掛けの選択を披露。これは自身の棋風と経験を活かして周到な準備のもとに遂行された有力な作戦と想像されます。一時は森下九段にも大きなチャンスがあり、作戦が実ったかと思われましたが、ツツカナの深く正確な読みに対して決め手をつかむことはできませんでした。局後の記者会見における森下九段の「人間側も盤駒を使って戦うべき」との発言は、コンピュータ将棋の精緻な読みの力を認めたもの、とも考えられます。コンピュータ将棋は「頭の中に将棋盤を作る」ことが完璧にできるため、人間にとってのハンディキャップを補う考え方として、人間側が別の将棋盤と駒を用意して自由に動かして考えることを可能にする、というルールの導入は有力な選択肢なのではないでしょうか。少なくとも、コンピュータ将棋の機能を制限する「レギュレーション」に比べて明らかに筋の良いルールといえるでしょう。

来週4月12日(土)の最終第5局は、▲屋敷伸之九段-△ponanzaです。団体戦としてはコンピュータ将棋チームの勝ち越しが確定し、白か黒か、という見方では大きな山を越えたと見られますが、大将戦という意味の大きさ、そして最終成績が4勝1敗となるか、3勝2敗となるか、インパクトの違いは小さくないと思われます。何より、プロ棋士の対コンピュータ将棋戦術をもう一度見られる貴重な機会であることには変わりがありません。依然として番組が注目されます。

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第3回将棋電王戦第3局は豊島七段勝ちプロ棋士1勝返す

第3回将棋電王戦第3局が本日3月29日(土)に行われ、豊島将之七段が83手でYSSに完勝。シリーズではプロ棋士チームが待望の初勝利をあげました。

本局は豊島七段が横歩取りに誘導しYSSが誘導に応じる、という展開で戦型が決定した後、20手目△6二玉に対して豊島七段が強襲を仕掛けて早くも優位を築きました。戦いが始まった時点での豊島七段の消費時間はわずか3分未満で、YSSの指し方を予測した周到な準備が明らかでした。

第3回将棋電王戦の前2局は、プロ棋士側がコンピュータ将棋側よりも先に多くの時間を消費して中盤の難所に突入、そこでコンピュータ将棋が優位に立ち(形勢がもつれることはあっても)勝ち切る、という展開でしたが、本局はプロが決断よく指して時間と体力を温存し、かつ優位を順調に拡大、という人間にとって理想的な展開でした。終了時刻も前2局に比べてかなり早い17時前。将棋電王戦通算では第2回阿部光瑠四段以来の勝ち星。プロ棋士を応援しながらも、どうしたらコンピュータに勝てるのかわからない、という途方に暮れる心境だった多くのファンも、かなり勇気づけられたのではないでしょうか。

20手目△6二玉と指す前の局面は定跡化されており、△4一玉や△5二玉が多く指される形です。それらを指していれば本局のように開始30手足らずで後手が劣勢になるようなことはなかったでしょう。したがって、YSSがそれらの定跡を搭載して定跡どおり指していればこの展開は避けられたと考えられます。ただし定跡どおりの指し手を増やした場合、相手の都合の良い定跡に誘導されやすくなるデメリットが生じることも多く、定跡の搭載はほどほどに、という開発方針がコンピュータ将棋では主流のようです。しかし定跡を知らないために悪手を指すリスクも当然あり、事前研究のしやすい第3回将棋電王戦ではそのリスクが大きくなると考えられます。コンピュータ将棋にとって、事前知識としての定跡をどの程度、どの部分で持っておくのが最善か、という課題が突きつけられた、と言えるかもしれません。あるいは、序盤でもっと深く読んで定跡に近い水準の手を確実に指せるようにすべきか、横歩取りのような激しい変化の多い形で特に深く読むよう調整すべきか、などを考えるべきかもしれません。

来週4月5日(土)の第4局は▲ツツカナ-△森下卓九段戦です。森下九段が勝てばプロ棋士とコンピュータ将棋の団体戦成績がタイとなって最終局を迎える一方、ツツカナが勝てば3年連続のコンピュータ将棋チームの勝ち越しとなる状況は変わりません。

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