将棋世界2007年11月号にて、連載記事「イメージと読みの将棋観」の中で持将棋模様の局面がテーマ図に掲げられています。レギュラー回答者であるトッププロ諸氏の回答が興味深く、また入玉模様の将棋はコンピュータ将棋にとっての難題のひとつでもあるので、今回ここで採り上げてみます。
将棋世界2007年11月号にて、連載記事「イメージと読みの将棋観」の中で持将棋模様の局面がテーマ図に掲げられています。レギュラー回答者であるトッププロ諸氏の回答が興味深く、また入玉模様の将棋はコンピュータ将棋にとっての難題のひとつでもあるので、今回ここで採り上げてみます。
渡辺竜王とボナンザの対局を90分間にわたって特集し、今年4月21日にNHKにて放送された、運命の一手 ~渡辺竜王VS人工知能・ボナンザ~が、(社)全日本テレビ番組製作社連盟より、第24回 ATP賞テレビグランプリ2007のドキュメンタリー部門の優秀賞を受賞したそうです。
歴史的なこの対局の後に誕生した当ブログでも、書評や学会関係の話題を通じてこの対局に触れてきましたが、やはりテレビの影響力にはまったく及びません。その番組が製作者団体から高い評価を受けたことは、コンピュータ将棋にとっても喜ばしいことなのではないでしょうか。賞は東京ビデオセンター・NHKエデュケーショナルの2社に贈られたものですが、それはコンピュータ将棋という素材あってのことであり、間接的にコンピュータ将棋の進化が評価された、と考えてよいと思います。当ブログ主から見ても、番組は人類の英知に迫る技術の凄みと、対峙するプロの戦略や思想を余すところなく、かつバランスよく伝えており、視聴者を飽きさせない一方、科学的にも高度な内容になっていました。コンピュータ将棋が社会的な評価を得ている証がまたひとつ、と言い切ってしまいましょう。
個人的には、優秀賞受賞番組に5秒間ほど出演した、と、酔っ払った時の話題にでもすることにします(笑)。
ゲームプログラミングワークショップ(GPW)2007の参加申込受付が開始されています。毎年秋の箱根での恒例行事となったGPWは、学会と親睦合宿がひとつになったような議論の場。コンピュータ将棋の開発者はもちろん、他のすべてのゲーム研究者・開発者の皆さんに参加していただきたいイベントです。まだの方は是非。きっと大きな刺激になりますよ。申込受付は10/31(水)までですのでお忘れなく。
プログラムにも、また以前に当ブログにも書いたとおり、GPWの夜の催しとして同じく恒例となったGPW杯コンピュータ将棋大会を今年もコンピュータ将棋協会の主催で行います。これはコンピュータ将棋選手権でのLAN対局のための準備大会の役割を兼ねており、会場のLANに参加者のコンピュータを接続して行われます。将棋プログラムがインストールされた、イーサネットへの接続が可能なPCとイーサネットケーブル1本をお持ちくだされば、どなたでもその場で参加できます。その場でログインアカウントを作ることもできます。
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11月25日(日)、電気通信大学の学園祭期間中にて、5五将棋の大会が開かれます。このほど申込受付が開始されました。3部門あり、人間部門、COM(コンピュータ)部門、そしてKIDS部門という独特の試みがあります。
KIDSとは子供たちのことではなく、知識を使ってゲームをプレイするシステムです。5五将棋においては、状況に応じた駒の価値を知識として与えることで、駒の価値の合計が最大になるような指し手を選ぶようにします。より優れた知識であるほど良い手が指せて勝てる、ということで、知識の巧拙を競う競技ということになります。言わば、将棋版カードバトルで最強のカード作りを競う、といったところでしょうか。詳しくは、解説のページをごらんください。知識ベースのゲームプレイの試みは、同じく電通大の学園祭期間中に行われるコンピュータ大貧民大会の第1回大会にて、飛び入り参加者用のカスタマイズド・クライアントという形ですでに実績があるようです。
9×9の通常の将棋に比べると、5五将棋は複雑さも指し手の選択肢もかなり小さく、コンピュータなら相当に深く読めそうです。もしかすると、チェッカーのように結論が出せるところまでコンピュータに読み切らせることも充分に現実的かもしれません。たとえば、通常の将棋で出現しうる局面数は1071前後と言われており、いかなる巨大コンピュータでもまったく歯が立たないばかりか、この数値自体の計算もあまりに複雑なため正確な値は知られていません。5五将棋なら、かなり正確な値を特定することができるのではないでしょうか。
ご興味がおありの方は、第2回UECコンピュータ大貧民大会ともども、参加、もしくは会場に足を運ばれてはいかがでしょうか。
第7回コンピュータ将棋オープン戦は、竜の卵が4戦全勝で優勝。おめでとうございます。
オープン戦に関するブログ記事を挙げておきます。他にありましたら是非コメント欄へお知らせをお願いいたします。