激指の優勝で幕を閉じた第18回世界コンピュータ将棋選手権は、例年と同様、数多く報道されていますが、今回はエキシビション対局の勝利が大きなニュースとして広く伝えられていますね。
世界コンピュータ将棋選手権でのエキシビション対局は、5年前の第13回選手権から毎回行われており、今回は6度目にして初の2局開催となりました。最初の3回は勝又六段と優勝者との駒落ち対局、次の2回は加藤幸男さんと優勝者との平手戦でした。駒落ちは二枚落ち、飛落ち、角落ちとステップアップしながらすべて勝利しましたが、加藤さんには過去2回いずれも敗れ、今回が平手戦初勝利。とはいえ、加藤さん対棚瀬将棋、清水上徹さん対激指でいきなり2勝を挙げてしまったことには内外から戸惑いの声も多く聞かれます。何より、現場が相当な戸惑いの空気に支配されました。そこには、コンピュータが勝った、という達成感が立ちのぼる風景はありませんでした。