Archive for コンピュータ

第9回コンピュータ将棋オープン戦

前回お知らせした、第9回コンピュータ将棋オープン戦は、なんとか4回戦が行われ、柿木将棋前回に引き続き4戦全勝と貫禄を見せました。参加された皆さん、お疲れさまでした。

今回も運用が完璧とはいかず、なんと対局サーバ操作担当者のネット環境が不調になってマッチメークに遅滞をきたしました。皆さんご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。 幸いにも、参加者の皆さんに今まで通り柔軟に対応していただいたおかげで、4回戦までを予定通り消化することができました。ありがとうございました。

来月の第18回世界コンピュータ将棋選手権に先立って行われる当協会主催のオープン戦はこれが最後になります。今後は自己対戦やfloodgateなどを活用し、思考ルーチンの強化やネット対応のテストを行って選手権に備えていただくようお願いいたします。各種のお問い合わせに関しては今後も引き続き当協会にて受付いたします。

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第9回コンピュータ将棋オープン戦 参加者募集のお知らせ

第9回コンピュータ将棋オープン戦が次の日曜日、4月6日にインターネットにて行われます。第18回世界コンピュータ将棋選手権を目前に控えて追い込みの時期の方、ネット対局のチェックが必要な方から、勢いのおもむくまま飛び入り参加の方まで、あらゆる参加者、そして観戦者を歓迎いたします。

参加資格はCSAサーバ プロトコルに対応していることで、人間が手動操作で参加することもできます。その場合、高田淳一さんが公開しているJava Appletなどが利用できます。参加費はもちろん無料。

オープン戦の模様は、ネットライブ中継される予定です。

詳細な手続きや日程などについては、こちらをご覧ください。ネットワークの状態によっては、時間切れ負けが不可避な場合も生じえますが、ご了承ください。また、ネットワークを利用することに起因する各種トラブルも想定されますが、世界コンピュータ将棋選手権でのトラブル対応の事前訓練を兼ねておりますのでご了承ください。

多数のご参加をお待ち申し上げております。

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コンピュータ将棋は先後互角?

以前話題にしたfloodgateに関して、金子さんに、先手勝率と千日手率が調べられないかどうかお尋ねしたところ、さっそくfloodgate統計ページ作っていただきましたfloodgateの過去から最新までのすべての累積データが見られるようになったようで、これはありがたい。将棋はチェスほどではないものの先手がわずかに有利な競技といわれており、現にプロの将棋では先手勝率が約53%程度というのが近年の傾向のようです。これがコンピュータ将棋にもあてはまるかどうか、恐らく初めて信頼できる量の集計が得られるようになりました。

そのデータが早くも6,000局を超え、先手が3,000勝に到達しました。通信トラブルなど終局に至らなかった対局を除くと、戦績は先手の3,000勝2987敗50引分。先手勝ち越し…と思いきやその差はわずか13。ここまでほとんど先後互角、という結果になっています。

よく知られているように、終局に近づけば近づくほど強くなるのが現在のコンピュータ将棋の棋風です。裏を返せば、コンピュータ将棋の序盤はまだまだ物足りないのです。先手の得を最大限に生かすには、高度な序盤の構想力や定跡の深い知識が必要ですが、現在のコンピュータ将棋がそれを備えているとは考えがたいところです。その意味では、先手の得がないかのように見えるこの統計結果は、ある意味で予想通りといえます。

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オープンな技術とゲームのルール

世界コンピュータ将棋選手権の参加資格は、「思考部を自作し、かつそれにオリジナリティがあるものに限る。」となっています。通信や画面表示を行う部分などは、自作しなくても他の人のものを使わせてもらったり、複数の参加者が同じものを用いても構わないのですが、指し手を考え、決定する過程は必ず自ら作り上げていなければなりません。

仮にこのルールがなかったらどうなるでしょう。その場合、同じ思考過程をもつコンピュータ将棋が複数の名義で同時に参加しようとするかもしれません。極端な例として、実体がまったく同じ、あるいはごくわずかに変えただけのソフトでできているようなコピー参加者がコピーA、コピーB…コピーZとして参加するかもしれません。こうなってしまうと、たとえ実力の劣るソフトでも、その中のコピーFやコピーLは運よく予選を通過してしまったり、あるいはうっかり優勝してしまうかもしれません。このせいでもっと実力のある参加者の活躍の機会が奪われてはならないのは明らかです。したがってこの「オリジナリティ」ルールは実質的に、ひとりの開発者がひとつの参加チームでしか思考部分を開発することができない、という人員制限となっています。

通信や画面表示などの部分を複数の参加者で共用するだけなら、このようなコピースクラム問題は起きませんので、自作にこだわらず他の人が作ったものをどんどん活用し、できた余裕で思考部分の強化に集中していただきたいところです。今はほとんどのインターネットユーザが、多くのフリーソフトを便利に使いこなしている時代ですから、多くの人々が開発したソフトを相互に活用することの重要性はコンピュータ将棋開発者でなくても理解していただけると思います。近年は、ソフトが無料というだけでなく、ソフトの中身であるソースコードが公開されているオープンソースソフトウェアの存在感が高まり続けています。その代表格であるLinuxの名を聞いたことのない人はほとんどいないでしょう。ネットが普及した現在、自由に流通する大量のソフトによって、単に便利というだけでなく、高度な技術が世界の隅々に容易に行き渡るようになりました。

…と、ここで冒頭に書いたことを思い出すと、実は世界コンピュータ将棋選手権のルールは技術の普及を制限してしまっていることに気づきます。 Read the rest of this entry »

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読売新聞1面に渡辺竜王vsBonanza戦の話題

渡辺明ブログに書かれていることそのままのメモです。読売新聞の連載企画「日本の知力」の記事として、あす2月25日朝刊1面に将棋の話題が出るそうで、この件で渡辺竜王対Bonanza戦についての取材を受けているそうです。

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