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第18回世界コンピュータ将棋選手権者は激指

第18回世界コンピュータ将棋選手権は、ライブ中継のページコンピュータ将棋選手権ネット中継ブログ「世界コンピュータ将棋選手権2008」を10倍楽しむHPにて報じられたとおり、激指が3年ぶり3回目の優勝に輝きました。3日間の選手権の流れは上記のページを追っていただくのがわかりやすいと思いますので、ここでは選手権全般を振り返ってみたいと思います。

新顔の活躍が目立った1次予選シード組が貫禄を示した2次予選は既報のとおり。最終日の決勝リーグは、総じて手数が長く、残り時間がわずかになるまで戦った大熱戦が目立ちました。恐らく今回の決勝リーグは、入玉した将棋が史上もっとも多かったと思われます。優勝決定戦となった6回戦の激指棚瀬将棋戦も200手近い白熱した攻防。棚瀬将棋が最終盤、激指の連続王手を受け切れば勝ち、という段階にまでこぎつけましたが、あとわずかのところで25分の持時間を使い切り、激指の辛勝となりました。

原則として手数の浅い範囲を厳密に読み尽くすコンピュータ将棋(枝刈りによる除外はありますが)では、 大局観だけでは想像できない針の穴を通すような攻防が期待されますが、今回はそれが特に頑強な受けの力、諦めない強さを示していたように思います。

人間界で話題のエキシビション対局については、次の記事で触れる予定です。

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2次予選終了 – 第18回世界コンピュータ将棋選手権

第18回世界コンピュータ将棋選手権は2日目も終了。結果と棋譜はライブ中継のページをご覧ください。また、コンピュータ将棋選手権ネット中継ブログ「世界コンピュータ将棋選手権2008」を10倍楽しむHPでもライブのレポートが見られます。中継ブログでは、いよいよ決勝リーグを目前に控えた現時点での勝又六段による講評のほか多数のストリーミング動画がアップされ、さらに内容充実。10倍楽しむHPでは、多数の写真が会場の雰囲気をよく伝えています。どちらも、ぜひご覧あれ。

2次予選では、1次予選シード組が貫禄を見せました。フレッシュな顔ぶれの中でも習甦の強さは会場での評価が高く、事実2次予選リーグ3回戦まで全勝、1次予選から通算10連勝と快進撃を見せましたが、その後上位に4敗し7位、決勝リーグ進出には1勝足りませんでした。

結局、決勝リーグ進出の5チームはいずれも1次予選シードのチームとなりましたが、その中で奈良将棋が初の決勝リーグ出場。長年の取り組みで実力を蓄えての念願達成となり、決勝リーグの顔ぶれに新鮮さを残しました。

明日はいよいよ決勝リーグ。当協会トップページにあるとおり、会場のかずさアカデミアホールにて豪華プロ棋士陣による解説会が開かれます。選手権終了後には、加藤さん、清水上さんの2人のアマトップと優勝・準優勝者とのエキシビション対局が行われます。ぜひ現地かずさアークへお越しください。現地に来られない方も、ネットライブでお楽しみください。

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1次予選終了 – 第18回世界コンピュータ将棋選手権

第18回世界コンピュータ将棋選手権の1日目が終了いたしました。結果と棋譜はライブ中継のページをご覧ください。また、コンピュータ将棋選手権ネット中継ブログ「世界コンピュータ将棋選手権2008」を10倍楽しむHPでもライブのレポートが見られます。

今回の1次予選を勝ち抜き、明日の2次予選進出を決めたのは、初参加の習甦、dosと、FPGAというコンピュータ将棋界になかった新しいハードウェアで開発されたA級リーグ指し手1号を含む計9チーム(1次予選シード権者のうち1チームが不参加のため)でした。新顔が3チームも実力を発揮したことで、いよいよ1次予選クラスでもレベルアップが加速し、油断のならない将棋を指すようになったといえると思います。

今回は前回に引き続きLAN対局にて選手権を開催していますが、各チームのLAN対応はほとんど完璧で、きわめてスムーズに日程をこなすことができました。対局サーバのオペレーションを担当する当ブログ主にとって実に楽な1日でした。この技術力をもってすれば明日、明後日も問題なく運営できるでしょう。

明日2日目は2次予選、明後日最終日は決勝リーグです。当協会トップページにあるとおり、決勝リーグは、会場のかずさアカデミアホールにて豪華プロ棋士陣による解説会が開かれます。選手権終了後には、加藤さん、清水上さんの2人のアマトップと優勝・準優勝者とのエキシビション対局が行われます。ぜひ現地かずさアークへお越しください。現地に来られない方も、ネットライブでお楽しみください。

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コメント投稿機能つき将棋ビューア 超α版

いよいよ明日に迫った、第18回世界コンピュータ将棋選手権を前に、多くの参加者の皆さんが準備を進めておられるところと思いますが、運営側でもちょっとしたものを準備しておりました。しかし…

コメント投稿機能つき将棋ビューア 超α版

今のところ、肝心のInternet Explorerで動作できるまでに至っておりませんRead the rest of this entry »

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直前企画: 世界コンピュータ将棋選手権の順位決定方式

第18回世界コンピュータ将棋選手権がいよいよ4日後に迫ってまいりました。ここで本番直前の展開予想を…という感じのイントロを入れるとスポーツイベントっぽいんですが、ここはコンピュータらしくちょっと理屈っぽく、選手権のリーグ戦方式について説明することにします。渋い話題ではありますが、この順位決定方式は、コンピュータやゲームがお好きな方、あるいは将棋大会に参加される方、運営される方にとっては、知っておきたいテーマ、もしくは頭の体操にうってつけのテーマであると思います。世界コンピュータ将棋選手権のルールの項にも説明がありますが、ここではその意味を重視して述べます。

現在の選手権は、1次予選、2次予選、決勝リーグが計3日間にわたって行われ、各段階はそれぞれ7回戦、9回戦、7回戦のリーグ戦となっています。1次予選、2次予選は、それぞれ翌日以降への出場権をかけた(変形)スイス式トーナメント、決勝リーグは優勝から8位までを競う総当たり戦が争われます。スイス式トーナメントを採用したプロ棋戦がないため、将棋ファンには馴染みが薄いかもしれませんが、一部のアマチュア大会では採用されていますのでご存じの方も多いでしょう。チェスなどで特にポピュラーな方式です。

1度負けたら終わりのノックアウトトーナメント方式と違い、リーグ戦はより実力にふさわしい順位を決定することができます。ここで問題になるのは、同じ勝数同士の選手の順位をどのように決めるか、というタイブレーク・システムです。わかりやすいタイブレークとしては、同順位同士で延長戦を行うことが考えられますが、運営スケジュールが大変ですし、また決定戦を行ったからといって公平な結果になるとも限りません。そのため世界コンピュータ将棋選手権では、下記の順に点数を計算し、点数の高い順に上位とします。以降は、別ウィンドウで歴代の選手権の順位表を見ながらお読みになるのがわかりやすいでしょう。 Read the rest of this entry »

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